機械学習エンジニアのフリーランス独立ガイド!平均年収も紹介

「機械学習エンジニアってフリーランスに独立できるのかな?」
「フリーランス機械学習エンジニアってどんな仕事をしているの?」

フリーランスへの独立を検討しているものの、踏み切れない人は多いですよね。

フリーランスと会社員の働き方の違いや独立に必要なスキル、仕事獲得方法など、フリーランスの詳細を把握しないまま独立すれば「会社員のままでいればよかった…」と後悔しかねません。

そこで、この記事では機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するメリット・デメリットを、平均年収や働き方、今後の需要なども交えて紹介します。

機械学習エンジニアが独立を判断するポイントや仕事の獲得方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

フリーランス機械学習エンジニアへの独立は副業で経験を積んだ後がベスト


結論から言うと、機械学習エンジニアが独立するのであれば、副業でフリーランスを経験した後がおすすめです。

その理由として、自身がフリーランスの働き方が向いているか判断した方がいいためです。

フリーランスには会社員にはない次のようなスキル・知識が欠かせません。

  • 営業スキル
  • 自己管理能力
  • 税金や保険の知識

フリーランスは自身で仕事を獲得しなければいけないため、営業スキルが必要です。どれだけ実務経験の豊富なエンジニアでも、仕事を獲得できなければ収入は得られません。

また、獲得した仕事をスケジュール通りに進めたり、決められた分の時間だけ稼働するための体調管理も必要です。納期が遅れてしまったり、働けなくなったりすると信用を失い、結果的に収入が減ることにもつながるでしょう。

会社員エンジニアであれば、自身で仕事を獲得する必要もなければ、働けなくなった際に保険によって一定の収入も保証されます。

このように、会社員とフリーランスでは働き方が全く異なります。会社員の延長と思い独立してしまうと、働き方が合わず後悔してしまいかねません。

そのため、副業でフリーランスの働き方を経験し、自身が独立に向いているのか判断しておくといいでしょう。

フリーランスは、会社員以上に稼げたり自由な時間・場所で働けたりとメリットは多いもののデメリットも多い点を把握しておくことがおすすめです。

なお、フリーランスに向いている人の特徴は次にまとめたので、参考にしてください。

フリーランスに向いている人 ・会社員以上に稼ぎたい人
・営業に苦手意識がない人
・自己管理が得意な人
フリーランスに向いていない人 ・収入の高さよりも安定を求める人
・自己管理が苦手な人
・仕事獲得に不安がある人

フリーランス機械学習エンジニアにまつわる基礎知識


ここからは、フリーランス機械学習エンジニアにまつわる基礎知識を、5つにまとめて紹介します。

平均年収

フリーランス機械学習エンジニアの平均年収は、およそ960万円です。

フリーランス向け求人サイトを運営する「フリーランススタート」によれば、平均年収は960万円、最高年収はおよそ2,100万円となっています。

一方で「求人ボックス」によると、会社員機械学習エンジニアの平均年収は735万円です。

それぞれの平均年収を次の表で比較しました。

職種 平均年収
フリーランス機械学習エンジニア 960万円(※1)
会社員機械学習エンジニア 735万円(※2)

※1:フリーランススタート
※2:求人ボックス

会社員機械学習エンジニアの平均年収は、他の職種よりも高い傾向にあります。ただし、年次や会社で規定された基準によって昇給していくため、高い年収を得るまで時間を要するでしょう。

しかし、フリーランス機械学習エンジニアは、自身のスキル次第で次のような単価の高い案件を獲得できるため、年次に関わらず高い収入を得られる可能性があります。

案件名 AIソリューションサービスの提案から導入までのコンサルティング
作業内容 ・最先端のAIを駆使して、顧客課題を解決するAIソリューションの提案から本番導入まで
・主にマネジメントを担当
単価 90〜140万円

参考:フリーランスのミカタ

そのため、フリーランス機械学習エンジニアは会社員よりも短い年数で高い年収を得やすいです。

主な仕事内容

フリーランス機械学習エンジニアの主な仕事内容は、機械学習アルゴリズムの開発と実装・運用です。

フリーランス機械学習エンジニアの主な仕事内容を次の表にまとめました。

案件名 アルゴリズム開発を担当する機械学習エンジニア 医療系サービスの機械学習を用いた予測技術開発
作業内容 ・IoT デバイスからのデータを使用して制御を行うAIアルゴリズムの開発
・機械学習アルゴリズムの検証
・機械学習環境の選定・構築・設定
・学習・評価用データ(教師ラベル、被験者情報、脳波データ対応)の作成管理
・ノイズ処理、特徴量抽出等の前処理検討及び実装
・機械学習を用いた脳波AIモデル(分類、回帰)構築とその評価
・解析レポートの作成
・開発したAIモデルのコンテナ化開発(仕様作成、プロトタイプ開発、デプロイ)
単価 80〜100万円 70〜90万円/月

参考:フリーランスのミカタ

機械学習の開発では、機械に大量のデータを読み込ませ、傾向やパターンを予測するアルゴリズムを開発します。また、読み込ませたデータを正確に処理できているか検証を行いつつ、適宜修正していく作業も含まれます。

近年では、機械学習におけるコーディング作業のみではなく、アルゴリズム開発全体の管理を行うコンサルティング業務も豊富に募集されています。

なお、関連する領域としてAIエンジニアが挙げられますが、こちらはAIのみに特化した職種です。

次の記事では、フリーランスAIエンジニアの詳細を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

AIエンジニアのフリーランス独立ガイド!平均年収や案件例も紹介

主な仕事場

フリーランス機械学習エンジニアの主な仕事場は、クライアントの指定するオフィスです。

次の表に、フリーランス機械学習エンジニアの主な仕事場についてまとめました。

案件名 【Python】toC向け既存サービスのAI/機械学習エンジニア 【Python】画像アプリケーション 機械学習エンジニア 【AI/深層学習/Python】AIモデルのリサーチ・開発業務
作業内容 機械学習エンジニアとしてtoC向け既存サービスのAI(機械学習)を使った予想モデルの開発、改善、保守 画像アプリケーションにおけるPythonを用いた開発推進 ・特定の業界に特化したAIモデルのリサーチと開発業務
・アルゴリズムの検証〜現場での運用を目的とした実装
・AIを組み込んだプロダクトの企画やプロトタイプの開発
仕事場 リモート(参画から1週間ほど渋谷に出社) 勝どき常駐 一部リモート

参考:フリーランスのミカタ

上記のように、フリーランス機械学習エンジニアの仕事場は、案件ごとに様々です。

一般的に、特定の業界に特化した案件やクライアント独自のツールやアプリなどを利用する案件では常駐や一部リモートになる場合が多いです。

一方で、汎用的なプログラミング言語を用いた業務や、プロジェクト全体を管理するコンサル・マネジメント業務ではリモートになる傾向があります。

稼働時間

フリーランス機械学習エンジニアの主な稼働時間は、月140時間以上です。

次の表に、フリーランス機械学習エンジニアの稼働時間についてまとめました。

案件名 【Python】toC向け既存サービスのAI/機械学習エンジニア 【Python】画像アプリケーション 機械学習エンジニア 【AI/深層学習/Python】AIモデルのリサーチ・開発業務
作業内容 機械学習エンジニアとしてtoC向け既存サービスのAI(機械学習)を使った予想モデルの開発、改善、保守 画像アプリケーションにおけるPythonを用いた開発推進 ・特定の業界に特化したAIモデルのリサーチと開発業務
・アルゴリズムの検証〜現場での運用を目的とした実装
・AIを組み込んだプロダクトの企画やプロトタイプの開発
稼働時間 140〜180時間 140〜180時間 140〜180時間

参考:フリーランスのミカタ

高単価案件ではプロジェクトへフルコミットする場合が多いため、稼働時間も140時間〜と会社員と同等の働き方になります。

一方で、案件によっては次の表のような週2〜からの働き方も可能です。

案件名 【Python】機械学習を用いた画像・データ解析技術に基づくソリューションのサービス開発
作業内容 ・機械学習を用いた画像・データ解析技術に基づくソリューションの提供
・産業分野・医療分野における人工知能を用いたソリューションの提供
稼働時間 週2日・3日・4日・5日

参考:フリーランスのミカタ

週2〜のような案件では、コーディング作業のみの場合が多く、単価も低くなりやすいです。そのため、隙間時間を活用したり、副業でのコミットがおすすめです。

需要・将来性

フリーランス機械学習エンジニアの需要・将来性は、今後も高まることが予想されます。

総務省が公表している「令和元年版情報通信白書」によれば、約7割の企業がAIやIoTの導入で効果を実感したと回答しています。


出典:第2部 基本データと政策動向

また、同調査によれば、企業がAIやIoTを導入していない理由として「使いこなす人材がいないから」という項目が2番目に多いです。

上記から分かる通り、機械学習エンジニアの需要は高い一方で、人材の供給が追いついていない点が伺えます。

近年では、文部科学省が「AI戦略等を踏まえたAI人材の育成について」を公表するなど、AI分野の教育に力を注いでいるといった傾向も見られます。

こういった理由からも、今後も機械学習エンジニアの需要は高まっていくことが予想されるでしょう。

機械学習エンジニアがフリーランスに独立する3つのメリット


ここからは、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するメリットを、3つにまとめて紹介します。

稼げる金額に上限がない

稼げる金額に上限がない点は、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するメリットの1つです。

機械学習エンジニアは、「求人ボックス」で平均給与が735万円と掲載されているほど、会社員のままでも比較的高い給与水準となっています。

出典:求人ボックス

ただし、上限は1,200万円ほどになっており、どれだけ経験豊富なエンジニアでも一定の水準で高止まりするでしょう。

一方で、フリーランスは自身で受ける案件の単価を決められるため、収入に上限がありません。次のような高単価の案件を獲得すれば、会社員よりも高い年収を得られます。

案件名 【Python/JavaScript】モビリティ分野における数理最適化研究開発案件
作業内容 ・主にPythonを用いて、下記開発をご担当いただきます。
 -数理最適化の概念を理解した上でそのインターフェイスを開発
 -デジタルツインの中身を理解した上でその周辺要素を開発
単価 170万円

参考:フリーランスタート

月の単価で170万円は、年収換算で2,000万円を超え、会社員機械学習エンジニアの年収上限よりも遥かに高くなります。

また、高単価案件を獲得できない場合でも、週2〜案件を複数掛け持ちすることで収入を挙げることが可能です。

このように、自身の働き方次第で、収入に上限がなくなる点はフリーランスへ独立するメリットの1つです。

取り組む仕事の内容が選べる

取り組む仕事の内容が選べる点も、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するメリットの1つです。

機械学習分野は、次の表のように様々なフリーランス向け案件が掲載されています。

案件名 【Python】toC向け既存サービスのAI/機械学習エンジニア 【Python】画像アプリケーション 機械学習エンジニア 【AI/深層学習/Python】AIモデルのリサーチ・開発業務
作業内容 機械学習エンジニアとしてtoC向け既存サービスのAI(機械学習)を使った予想モデルの開発、改善、保守 画像アプリケーションにおけるPythonを用いた開発推進 ・特定の業界に特化したAIモデルのリサーチと開発業務
・アルゴリズムの検証〜現場での運用を目的とした実装
・AIを組み込んだプロダクトの企画やプロトタイプの開発
稼働時間 140〜180時間 140〜180時間 140〜180時間
単価 70〜90万円 100〜130万円 60〜90万円

参考:フリーランスのミカタ

個人顧客向けのAIアプリに携わる案件やAIモデルのリサーチなど、自身の経歴や今後挑戦したい領域に合わせて、好きに仕事を選べます。

会社員は、日々の業務内容や携わる分野が同じ場合が多いため、好きに仕事を選べません。

フリーランスは自由に仕事を選べるため、エンジニアとしてのキャリアアップにも繋げやすい点が大きなメリットといえます。

働く場所に融通がきく

働く場所に融通がきく点も、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するメリットの1つです。

会社員は就業場所・時間が会社ごとに決められているため、自身の都合に合わせて働くことは難しいです。

しかしフリーランスは、次のようなリモートワークを導入している案件を獲得すれば、自身の好きな場所で働けます。

案件名 【Python】toC向け既存サービスのAI/機械学習エンジニア
作業内容 機械学習エンジニアとしてtoC向け既存サービスのAI(機械学習)を使った予想モデルの開発、改善、保守
仕事場 リモート(参画から1週間ほど渋谷に出社)

参考:フリーランスのミカタ

週2〜のリモート案件を複数掛け持ちすれば、スケジュールに合わせて自由に働くことも可能でしょう。案件獲得の際にクライアントと交渉すれば、平日に休みを取り、休日に集中して仕事をするといった働き方も可能です。

このように、自由な場所で働ける点はフリーランスへ独立するメリットといえます。

機械学習エンジニアがフリーランスに独立する3つのデメリット


ここからは、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するデメリットを、3つにまとめて紹介します。

収入が安定しづらい

収入が安定しづらい点は、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

会社員は月の稼働時間に関係なく、毎月決まった金額が給料として振り込まれるため、収入が安定しています。追加で働いた分は残業代として振り込まれたり、福利厚生として家賃補助や交通費なども受け取れることも会社員のメリットです。

一方で、フリーランスは自身が稼働した分が収入となります。働けなくなったり、仕事を獲得できなくなると収入はゼロです。会社員のような保険による補償もありません。

また、自身のスキルや仕事次第では、次のような単価の低い案件しか獲得できなくなる恐れもあります。

案件名 【VBA】データの集計/分析・ダッシュボード開発等
作業内容 自社サービスの様々なデータについての集計と分析
・ビッグデータの集計/分析
・機械学習を用いた予測モデル構築、データ分析/抽出
・BIツールを使ったダッシュボード開発、資料作成
単価 25〜27万円

参考:フリーランスタート

単価25万円は年収換算で300万円と、会社員エンジニアよりも低い年収となります。収入を安定させるには、スキルアップを欠かさず、高単価案件を獲得し続けなければなりません。

このように、収入が安定しない点はフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

税金や保険の負担が増える

税金や保険の負担が増える点も、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

フリーランスになると、保険料を全額自身で払わなければなりません。会社員の保険料は会社と折半のため、負担も少なく済みます。

さらに、会社員は厚生年金を支払いますが、フリーランスは支払いません。そのため、同じ年収で会社員とフリーランスを比較した際に、課税所得額が異なり所得税額にも差が現れます。

次の表に、会社員とフリーランスの保険料・税金の違いをまとめました。

年収500万円 会社員 フリーランス
保険料 246,000円(健康保険) 435,900円(国民健康保険)
所得税 137,800円 226,000円
住民税 245,300円 333,500円

参考:個人事業主シミュレーション税金・保険料シミュレーション

同じ年収で換算した場合、フリーランスは会社員よりも税金や保険料の負担が大きくなる点を押さえておきましょう。

ただし、フリーランスは経費や控除を活用することで、会社員よりも可処分所得を増やせる可能性があります。

営業・交渉スキルが必要になる

営業や単価交渉が必要になる点も、機械学習エンジニアがフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

会社員エンジニアは、会社が案件を獲得したり、自社サービスを運営したりするため、自身の業務のみに集中できます。

しかし、フリーランスは自身で仕事を獲得しなければ、収入を得られません。どれだけスキルや実務経験が豊富なエンジニアでも、営業や交渉が必要です。

また、働く条件や単価などの交渉ができなければ、稼働時間に見合わない報酬で業務を発注されてしまうリスクもあります。

そのため、独立するにあたって営業や交渉スキルは必須です。

このような背景もあり、次の「株式会社Miraieが実施したアンケート調査」のように、独立に踏み切れない人も多いです。


出典:株式会社Miraieが実施したアンケート調査

営業や交渉が苦手でも、必ず身につけなければいけないスキルである点は、フリーランスへ独立にあたっての大きなデメリットと言えるでしょう。

機械学習エンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイント5つ


なかには、独立を判断できない人も多いでしょう。

ここからは、フリーランス機械学習エンジニアへの独立を判断するポイントを、5つにまとめて紹介します。

なお、独立に向いている・向いていない機械学習エンジニアの特徴は次の表にまとめています。

フリーランスに向いている機械学習エンジニアの特徴 ・会社員よりも高い収入を得たい
・営業や交渉に不安がない
・働く場所にこだわらない
・スキルアップを惜しまない
フリーランスに向いていない機械学習エンジニアの特徴 ・収入の安定がほしい
・エンジニア業務に集中したい
・慣れた環境で働きたい
・できるだけ楽に収入を得たい

独立する目的・目標は明確か

独立する目的・目標が明確かどうかは、機械学習エンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスには独立する目的や目標が欠かせません。なぜなら、独立に必要なスキルや目指す働き方を、次の表のように計画から逆算して把握しておく必要があるからです。

目的 働き方
好きな場所で自由な時間に働きたい 場所と時間に融通の効く案件を獲得するためのスキルを身につける
会社員時代にはできなかった仕事を請け負いたい 必要なスキルを身につけるために勉強する
収入をあげたい 単価の高い案件を獲得に必要なスキルを身につける

上記のように必要なスキルや働き方を把握しておかなければ、案件を獲得できなかったり、クライアントの求める仕事ができなかったりしてしまい、収入が減ることに繋がってしまいます。

また、上記の目的・目標によっては副業や転職といった選択も可能です。

例えば、収入アップが目的であれば、今よりも給料の高い会社へ転職することで達成できます。フリーランス以外の選択肢を選べば、不安を抱えることなく目的を達成できるでしょう。

このように、自身のキャリアや独立する目的・目標を独立前に明確化しておくことをおすすめします。

収入の高さと安定性のどちらをとるか

収入の高さと安定性のどちらをとるかも、機械学習エンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

収入に関して、会社員とフリーランスの特徴を次の表にまとめました。

働き方 安定性 収入の高さ
会社員 ⚪️ ×
フリーランス × ⚪️

会社員は毎月安定して収入を得られるものの、一定の水準で年収は高止まりします。機械学習エンジニアの場合、1,200万円が上限となっています。

一方で、フリーランスは収入に上限がないものの、安定しないというデメリットがあります。単価の低い案件しか獲得できなかったり、高単価案件を継続して獲得できる場合などざまざまです。

そのため、収入の高さをとるならフリーランス、安定をとるなら会社員がそれぞれおすすめです。

ただし、会社員機械学習エンジニアでも平均年収で735万円は達成可能です。自身がどれくらいの年収を目指すか明確にするといいでしょう。

仕事場にこだわりはあるか

仕事場にこだわりがあるかどうかも、機械学習エンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

一般的に会社員は、決められたオフィスで業務につきます。フリーランスは、リモート案件では自由に働く場所を決められ、クライアント指定のケースでは常駐先で業務につきます。

上記から、会社員は慣れた環境で、フリーランスは日々異なる環境で働くといえるでしょう。

そのため、自由に働きたい、慣れた環境で働きたいなどのこだわりによって独立するかどうかの判断ができます。

働く環境にこだわりがなければ、フリーランスがおすすめです。

自己管理が得意か不得意か

自己管理が得意か不得意かも、機械学習エンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスは会社員と異なり、次のような自己管理スキルが必須です。

  • 体調管理
  • スケジュール管理
  • 税金や保険の手続き

フリーランスは体調を崩して働けなくなると収入がなくなります。会社員のように一定の給料が支給されることもありません。そのため、日々の体調管理が収入に直結するといっても過言ではないでしょう。

また、税金や保険の手続きを問題なく進められる知識、スケジュールどおりに案件を進める進捗管理スキルもフリーランスには欠かせません。

このように、様々な側面で自己管理ができるかできないかは、フリーランスへ独立するにあたって重要なポイントです。

自身は自己管理が得意なのか不得意なのか判断するためには、会社員のうちに副業でフリーランスの働き方を経験しておくことがおすすめです。

人とのコミュニケーションは得意か不得意か

人とのコミュニケーションが得意か不得意かも、機械学習エンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスはクライアントや共に働くメンバーなど、初対面の人とのコミュニケーションを取る機会が多くなります。

コミュニケーションが不得意の場合、仕事をスムーズに進められなかったり、営業や交渉でつまづいてしまいます。悪い印象を与えてしまうこともあるでしょう。

会社員は、慣れたメンバーと仕事をするため高度なコミュニケーションスキルは必要なく、日々のエンジニア業務に集中できます。

フリーランスへの独立を検討するのであれば、コミュニケーションスキルは必須と言えるでしょう。

コミュニケーションに関しても、副業でフリーランスの働き方をあらかじめ経験し、自身が得意か不得意か判断することをお勧めします。

フリーランス機械学習エンジニアに活かせる4つのスキル


ここからは、機械学習エンジニアへの独立に活かせるスキルを、4つにまとめて紹介します。

なお、機械学習エンジニアとしての実務経験や実績などは必須です。ここでは、フリーランスへなる際に活きる、その他のスキルを紹介します。

営業スキル

営業スキルは、フリーランス機械学習エンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

フリーランスとして稼いでいくには、仕事を獲得するための営業スキルが必要です。

独立後は誰もが仕事獲得でつまづきやすいですが、会社員時代に営業スキルを身につけておくと、独立してすぐに仕事を獲得できるようになります。

また、コミュニケーションが上手くとれれば、クライアントにも好印象を持ってもらいやすく、信頼獲得にも繋がるでしょう。

さらに、営業力のあるフリーランスはプロジェクトマネージャー(PM)のような上流工程の案件を獲得できるケースもあります。

フリーランスになってから営業スキルを身につける機会は少ないため、会社員時代に培っておくことは大きなアドバンテージです。

フリーランスへの独立を検討している人は、会社員のうちに営業の経験を積んでおくことをおすすめします。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、フリーランス機械学習エンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

コミュニケーションスキルに秀でていると、クライアントや共に働くメンバーの満足度も高くなりやすいです。結果的に信頼を得やすくなり、フリーランスとしての実績にもつながります。

ビジネスコミュニケーションは独立後の営業や交渉の場面で練習することはできないため、なるべく会社員のうちに様々な人とのコミュニケーションを培って、場数を踏んでおくといいでしょう。

特に、初対面の人とのビジネスコミュニケーションの機会を増やしておくことをおすすめします。

また、副業でフリーランスの働き方を経験しつつ練習することも可能です。

マネジメントスキル

マネジメントスキルも、フリーランス機械学習エンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

高単価案件は、次のようなマネジメント経験が必要とされるケースが多いです。

案件名 自社大規模言語モデルの研究開発を推進業務
作業内容 ・自社大規模言語モデルの研究開発業務全般
・自社大規模言語モデルにおけるプロンプトエンジニアリング
・大規模言語モデルに関連する基礎/応用研究開発およびソフトウェア開発
必須スキル ・大規模言語モデル/自然言語処理に関するアカデミックなバックグラウンド、または実務経験
・Python/SQL/機械学習を利用した開発経験
・開発チーム/プロジェクトにおけるリーダー・マネージャー経験
・クラウド利用経験

参考:フリーランスのミカタ

そのため、機械学習エンジニアとして収入を上げるためには、マネジメントスキルが欠かせません。

独立してすぐマネジメントをスムーズに行うためにも、会社員のうちにチームを持つ経験をできるだけしておくといいでしょう。

情報収集力

情報収集力も、フリーランス機械学習エンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

機械学習やAIはITの中でも最先端に分類される領域であり、新しい情報やトレンドの移り変わりが早いです。

そのため、フリーランス機械学習エンジニアとして信頼を得るためには、常に新しい情報をチェックして様々なことに精通しておくことが必要です。

また、PMやテックリーダーのような上流工程を担うポジションにつく場合、課題解決のための情報収集は確実性とスピード感の両方を求められます。

素早く正確に確実に情報を仕入れるスキルは、フリーランスとして高い収入を得るために欠かせないでしょう。

会社員のうちに素早く正確に情報収集する練習をしておくことをおすすめします。

フリーランス機械学習エンジニアに独立する方法


ここからは、次のトピック別にフリーランス機械学習エンジニアへ独立する方法を紹介します。

経験者が独立する方法

機械学習エンジニアとしてすでに働いている場合は、フリーランスに必要な次の手順を踏んだ上で独立を目指します。

  • STEP1:ポートフォリオを作成する
  • STEP2:フリーランスに必要なスキルを身につける
  • STEP3:独立する

まずは、自身のスキルや実績が一目でわかるポートフォリオを作成します。営業や交渉など、自身をアピールする際にポートフォリオは欠かせません。

機械学習の分野はデザインやWebアプリのように、制作物としてのポートフォリオの作成が難しいです。

そのため、どのようなプロジェクトにどのような役割で携わったか、わかりやすく伝えることを意識しましょう。

ポートフォリオが作成できれば、フリーランスに必要な次のスキル・手続きを踏んでいきます。

  • 営業スキル
  • 自己管理能力
  • 税金や保険の手続き

独立後は収入を得るために仕事を獲得したり、案件を捌いたりする時間がおおくなります。できるだけ、独立前に必要なスキルを身につけたり、手続きを済ませたりしておくといいでしょう。

税金や保険の手続きが不安な場合は、スポットで税理士などの専門家に相談がおすすめです。

ここまでの手順を踏み、問題なければ独立します。

未経験から独立する方法

未経験から独立する場合は、機械学習エンジニアに必要なスキル・知識を身につける必要があります。

機械学習で用いられる代表的な言語としてPythonが挙げられます。プログラミングスクールである「侍エンジニア 」やオンラインITスクールである「DMM WEBCAMP」などでまずはプログラミング言語の習得を目指しましょう。

しかし、プログラミングを未経験から現場で使えるようになるまでは、相当な学習時間が必要です。

侍エンジニアによると、プログラミング初心者に必要な学習時間はおよそ1,000時間と言われています。

出典:侍エンジニアブログ

上記の学習時間を、生活費を確保しながら作る計画を立てられるか検討してみましょう。

必要なプログラミング言語を身につけたら、機械学習エンジニアを募集している企業へ就職し、会社員として現場経験を積みます。

コーディングのみではなく、要件定義や設計などの上流工程、マネジメントなどを経験しておくと独立後に高単価案件を獲得しやすいです。

会社員として仕事に慣れてきたら、副業でフリーランスの働き方を経験した後、独立します。

次の記事では、未経験からフリーランスへ独立するために必要な手順を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスになるには?未経験から独立する5STEP

フリーランス機械学習エンジニアが案件を獲得する方法5つ


ここからは、フリーランス機械学習エンジニアが仕事を獲得する方法を5つ紹介します。

フリーランス向けエージェントサービスを活用する

フリーランス機械学習エンジニアが仕事を獲得する方法として、フリーランス向けエージェントサービスの活用が挙げられます。

フリーランス向けエージェントサービスは、営業から契約までを専任のエージェントが代行してくれます。エンジニアは自身で営業や交渉をする必要がなく、エンジニア業務に集中できるといったメリットがあります。

また、税金や保険の手続きや、フリーランスとしてのキャリアの相談も可能でなため、独立直後のフリーランスは登録しておいて損はないでしょう。

独立後の仕事獲得に不安がある人にはおすすめのサービスです。

特におすすめのフリーランス向けエージェントサービスが、「フリーランスのミカタ」です。

フリーランスのミカタ」は、他のクラウドソーシングやフリーランスエージェントでは非公開となっている求人を含め、約1万5000件の高単価な案件を抱えています。

専任のコンサルタントが一人ひとりに付くため、不安を抱えている独立したてのReactを扱うフリーランスエンジニアでも相談しやすいでしょう。

フリーランスのミカタを活用すれば、営業スキルを磨かずとも中・長期的に獲得できる案件が見つかりますよ。

クラウドソーシングサービスを活用する

フリーランス機械学習エンジニアが仕事を獲得する方法として、クラウドソーシングサービスの活用も挙げられます。

クラウドソーシングサービスには業務委託案件が多数掲載されており、フリーランスや副業など、様々な人が活用しています。

クラウドソーシングサービスのメリット・デメリットを次にまとめました。

メリット ・初心者でも登録できる
・トラブル対応をしてくれる
デメリット ・報酬のマージンがある
・競合が多い

クラウドソーシングは誰でも無料で登録でき、さらに初心者向けの案件も豊富なため、実績のない独立直後のフリーランスでも仕事を獲得できます。

また、報酬未払いや連絡が取れないと言ったトラブルには運営が対応してくれます。相場よりも単価が高いか低いかの判断も運営がしてくれます。

経験の浅いフリーランスでも安心して業務に取り組める環境が整っていると言えるでしょう。

一方で、誰でも登録ができるが故に競合が多く、初心者は仕事を獲得できないケースも多いです。

さらに、自身の報酬から運営側へのマージンを支払うため、収入が相場よりも低くなりやすい点もデメリットです。

クラウドソーシングで単価の高い案件を獲得するには、地道に実績を積み上げつつ、ポートフォリオを充実させる必要があります。

おすすめのクラウドソーシングサービスは「クラウドワークス」です。「クラウドワークス」は日本最大級のクラウドソーシングサービスであり、機械学習エンジニア向けの案件も豊富に掲載されています。

求人サイトを活用する

フリーランス機械学習エンジニアが仕事を獲得する方法として、求人サイトの活用も挙げられます。

求人サイトには、様々な業務委託案件が公開されており、特に長期案件が豊富に掲載されている点が特徴です。

機械学習関連の長期案件も豊富に掲載されているため、収入を安定させやすいと言えるでしょう。

ただし、求める単価の案件を獲得するためには、経験やスキルは欠かせません。自身のスキルや経験でも挑戦できるか、事前に確認しておくといいでしょう。

おすすめの求人サイトは「フリーランススタート」です。案件の単価や働き方、勤務地など様々な条件で求人を検索できるといった特徴があります。

知人・友人から仕事を紹介してもらう

フリーランス機械学習エンジニアが仕事を獲得する方法として、知人・友人からの紹介も挙げられます。

知人や友人から、機械学習エンジニアを募集している企業を紹介してもらい、仕事を獲得する方法です。

フリーランス白書2023」によると、調査したフリーランスのうちおよそ7割が、仕事獲得に繋がった経路として人脈を上げています。


出典:フリーランス白書2023

また、同アンケートでは人脈による仕事獲得が最も収入が高いという結果になっています。人脈を活かせる場合は積極的に利用していくといいでしょう。

ただし、フリーランス経験が浅い場合、契約内容が曖昧になったり、相場よりも安い価格で仕事を発注されたりするケースもあります。

自身で契約や交渉、トラブル対応ができる経験を積んだ人向けと言えます。

企業への直接営業

フリーランス機械学習エンジニアが仕事を獲得する方法として、企業への直接営業も挙げられます。

機械学習の事業をしている企業へ直接営業をかけて仕事を獲得する方法です。

直接営業はマージンが発生しないため、相場以上の価格で仕事を獲得しやすいというメリットがあります。また、直接営業でクライアントの信頼を構築できれば、新しいクライアントを紹介してもらいやすくなる点も大きなメリットです。

ただし、直接営業は難易度が高く、実績が充実していなければ案件を獲得できません。門前払いをくらうケースも少なくないでしょう。

また、トラブルには自身で対応する必要があるため、経験を積んだフリーランス向きと言えます。

やみくもに直接営業をかけるのではなく、自身のキャリアに沿ってタイミングを見ながら直接営業にチャレンジしていきましょう。

フリーランス機械学習エンジニアにまつわるFAQ


最後に、フリーランス機械学習エンジニアにまつわる質問を2つ紹介します。

フリーランスへの独立は「やめとけ」って噂は本当?

フリーランスは「やめとけ」という噂は本当です。このように噂される理由を、次にまとめました。

  • 収入が不安定だから
  • 営業や交渉、コミュニケーションスキルが必須だから
  • 独立後もスキルアップが欠かせないから

フリーランスは収入が確保されないため、会社員よりも安定しません。継続して高い収入を得るためには、スキルアップや実績を残し続けることが必要です。

収入の高さよりも安定を選びたい人、スキルアップし続けるのが億劫な人は会社員がおすすめです。

なお、次の記事では「フリーランスはやめとけ」といわれる理由を、経験者の口コミも交えて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスはやめとけと言われる7つの理由!経験者が語る向き不向きとは

独立前に準備しておくべきことはある?

独立前に準備しておくべきこととして、次の3つです。

  • 口座を開設しておく
  • クレジットカードを作成しておく
  • 住宅ローンや借入をしておく

フリーランスは収入が安定しない点や雇用されていないため、会社員よりも社会的信用が低くなります。

クレジットカードや各種ローン審査にとおりづらくなるため、独立前に済ませておくといいでしょう。

次の記事では、会社員がフリーランスへ独立する前に準備しておくべきこと12選を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスエンジニア独立前の準備・やること12選!なる手順も紹介

まとめ

機械学習は最先端の分野でもあり、今後も需要が高まっていくことが予想されます。

その中で、人材不足が懸念されており、フリーランス機械学習エンジニアの将来性も明るいでしょう。

しかし、フリーランスとして安定して高い収入を得るには、スキルアップや営業力を磨き続けることが必須です。

仕事を獲得できなかったり、クライアントの期待どおりの仕事ができなければ、会社員時代よりも収入が減ってしまう恐れもあります。

そのため、フリーランスは自走できる人におすすめです。