セキュリティエンジニアのフリーランス独立ガイド!平均年収や案件例も紹介

「セキュリティエンジニアはフリーランスでもやっていけるのかな…」 「フリーランスセキュリティエンジニアはどんな仕事をしているんだろう…」

フリーランスへの独立を検討しているものの、踏み切れない人は多いですよね。

会社員との違いや仕事の獲得方法など、フリーランスの詳細を把握しないまま独立してしまうと「会社員のままでいればよかった…」と後悔しかねません。

そこで、この記事ではセキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するメリット・デメリットを、平均年収や仕事内容なども交えて紹介します。

セキュリティエンジニアが独立を判断するポイントや、仕事獲得方法も合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

セキュリティエンジニアの独立は副業でフリーランスを体験した後がベスト


結論、セキュリティエンジニアは副業でフリーランスの働き方を経験した後に独立するのがベストです。

フリーランスとしての働き方には、会社員以上に稼げたり、好きな場所・時間に働けたりといったメリットが多いです。

しかし、自身で仕事を獲得する必要があったり、収入が安定しなかったりといったデメリットも多くあります。

例えば、エンジニアとしてのスキルや経験は豊富でも、営業ができず仕事が獲得できなければ、会社員よりも低い年収になりかねません。

他にも、フリーランスは税金や保険の負担が大きくなったり、仕事をスケジュール通りに完遂する自己管理能力が必要になったりもします。

そのため、フリーランスとしての働き方には向き不向きがあるため、副業でフリーランスを経験し、自身が向いているかどうか判断するといいでしょう。

下記にフリーランスへ向いている人と向いていない人の特徴をまとめました。

フリーランスに向いている人 ・会社員以上に稼ぎたい人
・営業に苦手意識がない人
・自己管理が得意な人
フリーランスに向いていない人 ・収入の高さよりも安定を求める人
・自己管理が苦手な人
・仕事獲得に不安がある人

独立後もスキルアップを欠かさず自身で走り続けられる人はフリーランスへの独立がおすすめです。

自身が向いているか判断するためにも、まずは副業でフリーランスの働き方を経験して見るといいでしょう。

フリーランスセキュリティエンジニアにまつわる基礎知識


ここからは、フリーランスセキュリティエンジニアにまつわる基礎知識を、5つにまとめて紹介します。

平均年収

フリーランスセキュリティエンジニアの平均年収は、およそ780万円です。

レバテック」に掲載されているセキュリティエンジニアの平均単価は、60~70万円が最も多くなっています。


出典:レバテック

フリーランスセキュリティエンジニアの平均演習は、会社員よりも多い傾向にあります。次の表で、会社員フリーランスセキュリティエンジニアの年収と比較しました。

職種 平均年収
フリーランスセキュリティエンジニア 780万円(※1)
会社員セキュリティエンジニア 597万円(※2)

※1:レバテック参考
※2:求人ボックス参考

フリーランスは自身で単価の高い仕事を選べるため、平均年収も高くなりやすいです。スキルや経験が豊富であれば次の表のような高単価の案件も獲得できます。

案件名 【セキュリティ】AIを用いた自社サービスのセキュリティエンジニア募集
単価 60〜100万円
作業内容 ・企画、要件定義
・実装
・テスト
・運用

参考:フリーランスのミカタ

スキル次第では月収100万円も可能であり、年収換算で1,000万円も達成可能です。

ただし、スキル次第ではセキュリティの運用のみといった単価の低い案件もあるため、会社員の平均年収と同等になる可能性もあります。

主な仕事内容

フリーランスセキュリティエンジニアの主な仕事内容は、次のとおりです。

    セキュリティシステムの企画/提案
    セキュリティシステムの開発/構築
    セキュリティシステムの運用/保守管理

セキュリティエンジニアは、インフラのセキュリティの構築、開発、運用までを幅広く手がけます。

それぞれの具体的な業務内容を、次の表にまとめました。

案件名 【セキュリティエンジニア】NW、OS、サーバ、仮想化、クラウドの知識が豊富なエンジニア 【セキュリティ】大手通信事業者内セキュリティサービス開発 【社内SE/セキュリティ】情報システム管理/運用
仕事内容 企画・提案 開発・構築 運用・保守管理
具体的な業務 ・セキュリティ課題の発見、情報収集、施策の企画・推進
・セキュリティ啓蒙、教育
・セキュリティ監視システム開発、運用
大手通信事業社にて、クライアントへ提供するセキュリティサービスの開発 大手食品メーカーの情報システム部門において、セキュリティツールの導入・運用等

参考:フリーランスのミカタレバテック

セキュリティエンジニアはサーバーに触れるため、インフラエンジニアと比較されやすいです。どちらも似ている職種ですが、セキュリティエンジニアはよりセキュリティ領域に特化していると言えます。

なお、企画・提案や開発・構築段階では豊富な実務経験やスキルが必要とされるため、単価も高くなりやすいです。一方で、運用・保守管理のみの案件は高度なスキルや経験は必要とされにくいため、単価も低くなりやすいです。

主な仕事場

基本的にフリーランスセキュリティエンジニアは、クライアントが指定する場所で仕事をします。

様々な企業のセキュリティ領域を担当することから社外秘の情報にも触れるため、次のように仕事場を指定されるケースが多いです。

案件名 ソフトウェアセキュリティエンジニア 【インフラ系PM】セキュリティエンジニア 【AWS】自社HRサービスの新規開発におけるSREエンジニア
仕事場 フルリモート 表参道 東京都中央区 (リモート可)
具体的な業務 ・超重要データを扱うプロダクト・事業の成長とリスクテイク
・プロダクト開発~アジリティと高いセキュリティレベルの両立
・開発チームをはじめとした社内のセキュリティリテラシーの向上
エネルギートレーディングシステムという自社プロダクトのセキュリティ強化 AWSを使用したセキュアなインフラストラクチャの設計、構築、運用

参考:フリーランススタート

セキュリティシステムの企画や提案など、上流工程の案件においてはリモートで働けるケースが多いです。一方で、システムの構築から運用など、作業工程の案件では常駐になる場合が多いです。

主な稼働時間

フリーランスセキュリティエンジニアの主な稼働時間は、140時間以上です。

事実、求人サイトに掲載されているフリーランスセキュリティエンジニア案件は140時間以上の稼働時間を提示しているものが多いです。

案件名 【セキュリティエンジニア】NW、OS、サーバ、仮想化、クラウドの知識が豊富なエンジニア募集 【セキュリティ】Fintechプロダクト開発 【セキュリティ】大手ネットスーパー向けセキュリティ構築
稼働時間 70〜90万円 85万円 85万円
単価 140〜180時間 180時間 180時間

参考:フリーランスのミカタフリーランススタート

セキュリティ関連の案件はコーディングのみといった作業単位での募集は少なく、プロジェクト単位で参画する場合が多いです。そのため、フルコミットする案件が多いため、稼働時間も140時間以上になりやすいです。

週2日〜や隙間時間での稼働したい場合は管理・保守運用のような下流工程の案件を探すといいでしょう。

需要/将来性

フリーランスセキュリティエンジニアの需要は、今後も増えることが予想されます。

近年、社内システムをオフラインからオンラインへ移行する企業が多くなっており、総務省が発表した「令和3年通信利用動向調査の結果」によれば、クラウドサービスを利用している企業はおよそ7割となっています。

システムをオンラインへ移行する際に重要となるのは、セキュリティ面です。サイバー攻撃やウィルスからシステムを守るということは、経営に関わる重要な項目でもあります。

こういったことからも、インフラのセキュリティ領域のプロであるセキュリティエンジニアの需要は高まっていくでしょう。

また、セキュリティ領域に特化したエンジニアは希少でもあるため、融通の効きやすいフリーランスセキュリティエンジニアはより重宝され需要も高くなっていくと予想できます。

セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立する3つのメリット


ここからは、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するメリットを、3つにまとめて紹介します。

収入の上限がなくなる

収入の上限がなくなる点は、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するメリットの1つです。

会社員の収入は会社で規定された給料のため、年次やスキルで上昇するものの、一定の水準で高止まりします。「求人ボックス」によれば、会社員セキュリティエンジニアの年収は1,000万円ほどが上限となっています。

出典:求人ボックス

一方で、フリーランスであれば、自身で自由に単価を選べるため収入に上限がありません。

スキルや経験次第では、次のような高単価案件も獲得できます。

出典:レバテック

また、「レバテック」に掲載されているセキュリティエンジニアの最高単価では125万円となっており、年収換算で1,500万円にもなります。

このように、セキュリティエンジニアはフリーランスへ独立することで、収入の上限がなくなると言うメリットがあります。

働く時間・場所に融通が効く

働く時間・場所に融通が効く点も、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するメリットの1つです。

会社員は会社の事務所へ出社したり、指定された企業のオフィスへ出社して業務を行います。就業時間も原則決められているため、平日に休んだり、土日に仕事をすることはできません。

一方でフリーランスは、スキルや実務経験次第で次のような案件を獲得できれば、自由な時間・場所で作業ができます。

案件名 ソフトウェアセキュリティエンジニア
仕事場 フルリモート
具体的な業務 ・超重要データを扱うプロダクト・事業の成長とリスクテイク
・プロダクト開発~アジリティと高いセキュリティレベルの両立
・開発チームをはじめとした社内のセキュリティリテラシーの向上

参考:フリーランスのミカタ

セキュリティエンジニアはインフラやセキュリティ関連に触れることが多いため、仕事場所も限られることが多いです。

ただし、セキュリティの企画など、上流工程の案件はリモートでも可能なケースが多いため、自由に好きな場所・時間に仕事ができます。

仕事内容を選べる

仕事内容を選べる点も、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するメリットの1つです。

一般的に、会社員エンジニアは営業部が獲得した仕事を受けるため自由に仕事を選べません。また、エンジニアの中でも役割分担がされているため、セキュリティの設計のみや実装のみなど作業工程も決められている場合が多いです。

一方で、フリーランスは自身のスキルや経験次第で、次のような案件から自由に仕事を選べます。

案件名 【セキュリティエンジニア】NW、OS、サーバ、仮想化、クラウドの知識が豊富なエンジニア 【セキュリティ】大手通信事業者内セキュリティサービス開発 【社内SE/セキュリティ】情報システム管理/運用
仕事内容 企画・提案 開発・構築 運用・保守管理
具体的な業務 ・セキュリティ課題の発見、情報収集、施策の企画・推進
・セキュリティ啓蒙、教育
・セキュリティ監視システム開発、運用
・大手通信事業社にて、クライアントへ提供するセキュリティサービスの開発 大手食品メーカーの情報システム部門において、セキュリティツールの導入・運用等

参考:フリーランスのミカタレバテック

案件の作業範囲だけでなく業界も自由に選べるため、自身の興味のある案件に応募できます。自由に仕事を選べることからも、フリーランスはエンジニアとしてのキャリアアップにも有利です。

ただし、案件によっては必須スキル・経験が条件となっており、応募できないケースもあります。

セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立する3つのデメリット


ここからは、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するデメリットを、3つにまとめて紹介します。

毎月の収入にムラが出やすい

毎日の収入にムラが出やすい点は、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

会社員の収入は毎月の給料であり、月の稼働時間が減っても安定して振り込まれます。さらに、残業分は上乗せされたり、病気で働けなくなっても保険によって一定の給料が保証されると言うメリットもあります。

一方で、フリーランスは、自身で仕事を獲得できなければ収入はゼロです。また、スキルや実務経験によっては、次のような低単価の案件しか受けられない可能性もあります。

案件名 【セキュリティ】toB向けリスクコンサルティング製品開発の求人・案件
作業内容 ・脆弱性診断
・プロダクト開発
単価 〜30万円

参考:レバテック

月の単価が30万円は年収換算で360万円となり、会社員よりも少なくなってしまいます。

フリーランスは収入に上限がないものの、下限もありません。このように、収入が安定しない点は、フリーランスのデメリットの1つです。

税金や保険料の負担が大きくなる

税金や保険料の負担が大きくなる点も、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

会社員は保険料を会社と折半で支払い、さらに厚生年金を支払うため、課税所得が小さくなり、フリーランスよりも所得税が低くなります。

一方で、フリーランスは保険料を全額自身で支払わなければなりません。同じ年収で比較した場合、次の表のようにフリーランスは税金と保険料の負担が大きくなります。

年収500万円 会社員 フリーランス
保険料 246,000円(健康保険) 435,900円(国民健康保険)
所得税 137,800円 226,000円
住民税 245,300円 333,500円

参考:個人事業主シミュレーション税金・保険料シミュレーション

さらに、会社員は会社で加入している保険に扶養している家族も加入できますが、フリーランスは家族の保険料も支払う必要があります。

このように、フリーランスは会社員よりも税金や保険料の負担が大きくなる点がデメリットの1つです。

ただし、フリーランスは経費や控除によって、会社員よりも可処分所得を増やすことは可能です。

自身での案件獲得や交渉が必要になる

自身での案件獲得や交渉が必要になる点も、セキュリティエンジニアがフリーランスへ独立するデメリットの1つです。

会社員エンジニアは、会社の営業部が仕事の獲得や交渉を担当してくれるため、エンジニア業務に集中できます。

しかし、フリーランスは仕事獲得や単価交渉などを自身でやる必要があります。営業や交渉ができなければ仕事を獲得できなくなり、収入もゼロになってしまうため、フリーランスは避けて通れません。

株式会社Miraieが実施したアンケート調査」によれば、自身で仕事獲得や交渉が必要になる点に関して不安があるため、独立に踏み切れない人が多くなっています。

出典:株式会社Miraieが実施したアンケート調査

営業や交渉が苦手でも、必ず身につけなければいけないスキルである点は、フリーランスのデメリットと言えるでしょう。

セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断する5つのポイント


なかには、独立を判断できない人も多いでしょう。

ここからは、セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントを、5つにまとめて紹介します。

なお、独立に向いている・向いていないセキュリティエンジニアの特徴は次の表にまとめています。

フリーランスに向いているセキュリティエンジニアの特徴 ・上限なく収入を得たい人
・仕事獲得に不安がない人
・働く場所にこだわりがない人
フリーランスに向いていないセキュリティエンジニアの特徴 ・収入の高さよりも安定がほしい人
・エンジニア業務に集中したい人
・慣れた環境で働きたい人

独立する目的は明確か

独立する目的が明確かどうかは、セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスには、いくらぐらい稼ぎたいか、どのような案件を受けたいかといった計画が大事です。稼ぎや受ける案件によってポートフォリオや営業の仕方、スキルセットなどが異なるためです。

何も考えず闇雲にフリーランスになると、単価の低い仕事しか受けられなかったり、仕事を獲得できなくなってしまいかねません。場合によっては会社員よりも年収が低くなってしまうでしょう。

そのため、フリーランスとしてどのような働き方をしたいか、目的を明確にしておくことが重要です。

また、目的によっては独立ではなく転職や副業という選択も可能です。

年収アップであれば、今よりも給料の高い会社へ転職したり、副業で収入を増やすことでも目的を達成できます。

自身のキャリアを見つめ直すためにも、独立をする前に自身の目的や目標を明確にすることがおすすめです。

収入の高さか安定性か

収入の高さか安定性かどちらを選択するかも、セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

結論、収入の高さを求めるならフリーランス、安定を求めるなら会社員がおすすめです。

ただし、フリーランスは収入にムラがあり、会社員は安定しているものの一般的な年収までしか上がらないというデメリットがそれぞれにあります。

そのため、自身がどのくらいの年収を稼ぎたいのか、明確にするといいでしょう。例えば、今よりも少し年収を上げたいと言う場合は、独立ではなく転職によって達成も可能です。

年収1,000万円を超えるほど稼ぎたいという人はフリーランスがおすすめです。

仕事場は在宅か常駐か

仕事場は在宅か常駐か、どちらを希望するかも、セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

在宅で仕事をしたい場合は、フリーランスになりリモート案件を獲得することで実現できます。特にセキュリティエンジニアの上流工程を担当する案件であれば、クライアントに交渉することで比較的融通の効く働き方が可能でしょう。

一方で、慣れた環境で働き続けたい場合は会社員がおすすめです。フリーランスの常駐案件もおおくありますが、ともに働くメンバーが入れ替わったりするため、慣れないこともあるでしょう。

このように、自身がどのような環境で仕事をしたいのかも、独立を検討するポイントの1つとなります。

仕事場にこだわりがない人は、フリーランスがおすすめです。

自己管理は得意か不得意か

自己管理は得意か不得意かも、セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスの自己管理とは主に、次のようなことを意味します。

  • 体調管理
  • スケジュール管理
  • 税金や保険の手続き

フリーランスは稼働した分のみが売り上げとなるため、体調を崩して働けなくなると収入はなくなります。会社員のような保険にも加入していないため、稼働していない期間の収入は補償されません。

また、会社員のように税金を天引きされるわけでないため、自身で確定申告が必要です。正確に期間通りに手続きを済ませなければ、思わず脱税になったり、余分に税金を払ってしまい可処分所得が少なくなったりしてしまいます。

このように、フリーランスには様々な自己管理が必要です。

会社員であれば、ある程度の自己管理ができれば問題ないため、自己管理が苦手な人は独立はおすすめしません。

自身が、自己管理が得意かどうか判断するためには、副業でフリーランスを経験してみるといいでしょう。

人とのコミュニケーションは得意か不得意か

人とのコミュニケーションは得意か不得意かも、セキュリティエンジニアがフリーランスへの独立を判断するポイントの1つです。

フリーランスは、クライアントやともに働くメンバーなど、様々な初対面の人とのコミュニケーションが必須です。

コミュニケーションがうまく取れなければ打ち合わせで齟齬が生じたり、うまく営業できずに仕事が獲得できなかったりと、不利益ばかりが生じてしまいます。

会社員は同じメンバーと働く場合が多いため、高度なコミュニケーション力は必要ありません。また、クライアントとの交渉は営業部のような得意な人が担当するため、エンジニアは自身の業務に集中できます。

このように、コミュニケーションが得意かどうかは、フリーランスへの独立を検討するポイントの1つになります。

フリーランスセキュリティエンジニアへの独立に活かせる3つのスキル


ここからは、フリーランスセキュリティエンジニアへの独立に活かせるスキルを、3つにまとめて紹介します。

なお、エンジニアとしての実務経験や実績などは必須です。ここでは、フリーランスへなる際に活きる、その他のスキルを紹介します。

営業スキル

営業スキルは、フリーランスセキュリティエンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

フリーランスは仕事を獲得できなければ収入もなくなってしまうため、営業スキルが欠かせません。

独立してから営業スキルを新たに身につける人も多いですが、慣れないうちは仕事を獲得できない日々が続いてしまうこともあるでしょう。

その反面、会社員時代に営業の経験があると、独立後も比較的スムーズに仕事獲得まで到達できるでしょう。

また、営業の際にはセキュリティに関する話をわかりやすく相手に伝える必要があります。独立後に練習する機会は少ないため、会社員時代に経験を積んでおくと、独立後にも有利になるでしょう。

このように、営業スキルは独立後も活きるスキルの1つと言えます。

マネジメントスキル

マネジメントスキルも、フリーランスセキュリティエンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

セキュリティ関連の案件には、様々なメンバーが携わる大型案件が多いです。特に高単価の上流工程案件では、下流の作業者へ仕事を振るケースも多くあります。

案件によっては、次のようにマネジメント経験を歓迎している場合もあります。

案件名 【インフラ系PM】セキュリティエンジニア
単価 120万円
歓迎スキル ・サーバーサイドの開発経験
・セキュリティ戦略の立案、実施経験
・セキュリティガイドラインの整備経験
・Kubernetesによるインフラの構築経験
・マイクロサービスの運用経験
・マネジメント経験

参考:フリーランススタート

そのため、会社員時代にマネジメントを経験しておくことで、独立後も上流工程の案件を獲得しやすくなります。

マネジメントスキルを独立後に練習する機会は少ないため、会社員時代に身につけておくことで独立後も有利になるでしょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルも、フリーランスセキュリティエンジニアへの独立に活かせるスキルの1つです。

フリーランスは初対面のクライアントやメンバーと話す機会が多いため、コミュニケーションスキルが欠かせません。

独立後にクライアントやメンバーと取るコミュニケーションはどれも本番であり、練習してスキルを磨くことはできません。

その点、会社員時代にコミュニケーションスキルを身につけておくことで、独立後も有利になるでしょう。

フリーランスセキュリティエンジニアへ独立する方法


ここからは、次のトピック別にフリーランスセキュリティエンジニアへ独立する方法を紹介します。

会社員から独立する場合

会社員セキュリティエンジニアは、セキュリティ関連の基礎知識・スキルはすでに身についているため、フリーランスへなるための次のような手順を踏んでいきます。

  • STEP1:ポートフォリオを作成する
  • STEP2:フリーランスに必要なスキルを身につける
  • STEP3:独立する

フリーランスとして独立する第一歩として、まずは自身のスキルや実績がわかるポートフォリオを作成しましょう。

どれだけ経験豊富なエンジニアでも、ポートフォリオがなければクライアントへ実績が伝わりません。独立直後に仕事を獲得するためには、初対面のクライアントに対して自身がどの程度の仕事をこなせるかを正確に伝えることが重要です。

また、フリーランスへなるためには次のスキルや手続きも必要です。

    営業スキル
    自己管理能力
    税金や保険の手続き

独立後に上記の手順を踏むと、仕事を獲得できない期間が続いたり、手続きに追われて業務に集中できなかったりする恐れがあります。そのため、副業でフリーランスとしての働き方を経験し、事前に済ませておきましょう。

ここまでの手順を踏み、問題なければ独立します。

未経験から独立する場合

未経験から独立する場合は、セキュリティエンジニアとしての基礎知識やスキルを身につけます。

未経験からセキュリティエンジニアとしての基礎知識やスキルを身につけるには、プログラミングが学べる「プロゲート」やプログラミングスクール「侍エンジニア 」などがおすすめです。

学習期間は収入が発生しないため、会社員として働きつつ学ぶか、金銭的に余裕をもって学習に取り組むといいでしょう。

基礎知識やスキルが身についた後、セキュリティエンジニアとして企業に就職し、経験を積みます。保守運用などの下流工程のみではなく、企画や開発などの上流工程まで経験しておくと、独立後に高単価案件を獲得しやすくなります。

会社員セキュリティエンジニアとしての働き方に慣れたら、副業案件に取り組んでフリーランスの働き方を経験していきます。

この際、営業や自己管理などに問題がないか把握します。ここまでの手順を踏んで問題なければ、フリーランスとして独立します。

フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する5つの方法


ここからは、フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する方法を5つ紹介します。

クラウドソーシングサービスを活用する

フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する方法として、クラウドソーシングサービスの活用が挙げられます。

クラウドソーシングサービスは、フリーランス向けの業務委託案件が公開されている求人サイトであり、次のようなメリット・デメリットがあります。

クラウドソーシングサービスを活用するメリット ・初心者でも登録できる
・トラブル対応をしてくれる
クラウドソーシングサービスを活用するデメリット ・報酬のマージンがある
・競合が多い

クラウドソーシングは初心者でも簡単に登録ができるため、独立後の実績がない状態でも比較的仕事を獲得しやすいです。案件数も豊富なところが多いため、ある程度の経験を積んだ中級者でも自身のスキルや経験にマッチした案件を見つけられます。

また、報酬の未払いのようなトラブルはサービス運営側が対応してくれる点も大きなメリットです。経験の浅いフリーランスはトラブル対応もできない場合が多いですが、クラウドソーシングであれば安心して利用できます。

一方で、運営側へのマージンを自身の報酬から支払う必要があり、報酬が相場よりも低くなる点がデメリットです。単価の低い案件では、割に合わないと感じてしまうケースもあるでしょう。

また、誰でも登録できるが故に競合が多く、単価の高い案件を獲得できない点も不便に感じるでしょう。継続的に案件を獲得するためには、ポートフォリオの充実や営業スキルを磨く必要があります。

おすすめのクラウドソーシングサービスは「クラウドワークス」です。「クラウドワークス」は日本最大級のクラウドソーシングサービスであり、セキュリティエンジニア案件も豊富に掲載されています。

求人サイトを活用する

フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する方法として、求人サイトの活用も挙げられます。

求人サイトには、様々なフリーランス向けの業務委託案件が掲載されています。クラウドソーシングサービスとの違いは、長期案件が多いという点です。

高単価のセキュリティ案件は長期の場合が多いため、経験豊富なエンジニアは獲得したい案件を見つけやすいでしょう。また、保守運用など下流工程の継続案件を獲得したい人にもおすすめです。

おすすめの求人サイトは「フリーランススタート」です。案件の単価や働き方、プログラミング言語、勤務地など様々な条件で求人を検索できるため、自身にマッチした案件を見つけやすいです。

フリーランス向けエージェントサービスを活用する

フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する方法として、フリーランス向けエージェントサービスの活用も挙げられます。

フリーランス向けエージェントサービスの特徴は、営業から契約までを代行してくれる点です。クラウドソーシングや求人サイトのように、自身で営業する必要がないため、業務に集中しやすくなります。

また、エージェントには税金・保険の手続きについてのアドバイスや、フリーランスとしてのキャリア相談も可能です。経験の浅いフリーランスは登録しておいて損はないでしょう。

特におすすめのフリーランス向けエージェントサービスが、「フリーランスのミカタ」です。

フリーランスのミカタ」は、他のクラウドソーシングやフリーランスエージェントでは非公開となっている求人を含め、約1万5000件の高単価な案件を抱えています。

専任のコンサルタントが一人ひとりに付くため、不安を抱えている独立したてのフリーランスWebエンジニアでも相談しやすいでしょう。

フリーランスのミカタを活用すれば、営業スキルを磨かずとも中・長期的に獲得できる案件が見つかりますよ。

知人・友人から仕事を紹介してもらう

フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する方法として、知人・友人からの紹介も挙げられます。

知人や友人から人手不足の企業や、セキュリティに関して知見がなく困っている企業などを紹介してもらい仕事を獲得する方法です。

知人・友人に紹介してもらえるため、実績や働きぶりなどをクライアントへ伝えてもらえると言うメリットがあります。そのため、複雑なポートフォリオを作り込んだり、高度な営業スキルを磨いたりする手間がふぶけます。

ただし、知人や友人であることから、契約内容が曖昧になったり、相場よりも安い価格で仕事を発注されたりといったケースもあります。

そのため、自身で契約や交渉、トラブル対応ができる経験を積んだ人向けと言えます。

仕事の依頼先に直接営業をかける

フリーランスセキュリティエンジニアが仕事を獲得する方法として、仕事の依頼先への直接営業も挙げられます。

クラウドソーシングやエージェント、求人サイトなどを挟まずに、直接クライアントへ営業をかけて、仕事を獲得する方法です。

直接営業はマージンが抜かれないため、適正な価格で仕事を獲得しやすいです。また、直接営業でクライアントの信頼を獲得すると、新しいクライアントを紹介してもらいやすくなります。

直接営業で仕事を獲得すること自体が大きな実績にもなるでしょう。

ただし、直接営業は実績が充実していなければ案件獲得が難しいです。また、トラブルには自身で対応する必要があるため、経験を積んだフリーランス向きと言えます。

次の記事ではフリーランスWebエンジニアにおすすめの案件獲得方法を紹介していますので、こちらも参考にしてください。

フリーランスエンジニアの案件獲得方法おすすめ5選!継続仕事を得るコツも紹介

フリーランスセキュリティエンジニアにまつわるFAQ


最後に、フリーランスセキュリティエンジニアにまつわる質問を2つ紹介します。

フリーランスは「やめとけ」って噂は本当?

フリーランスは「やめとけ」という噂は本当です。このように噂される理由を、次にまとめました。

    収入が不安定だから
    営業や交渉、コミュニケーションスキルが必須だから
    独立後もスキルアップが欠かせないから

フリーランスの収入には上限がないものの、安定しません。自身で仕事を獲得し続けたり、実績を残し続けなければ、会社員時代よりも低い収入になる可能性もあります。

そのため、自分のペースで安定した収入を得たい人は、会社員がおすすめと言えるでしょう。

なお、次の記事では「フリーランスはやめとけ」といわれる理由を、経験者の口コミも交えて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスはやめとけと言われる7つの理由!経験者が語る向き不向きとは

独立前に準備しておくべきことはある?

独立前に準備しておくべきこととして、次の3つがあります。

    口座を開設しておく
    クレジットカードを作成しておく
    住宅ローンや借入をしておく

フリーランスは収入面など、会社員よりも社会的な信用が弱くなるため、クレジットカードやローンの審査にとおりづらくなります。

クレジットカードはフリーランスの経費の支払いで必要な場面も多いため、独立前に作成しておくといいでしょう。また、ローンを組む予定がある場合も、独立前に申し込んでおきましょう。

次の記事では、会社員がフリーランスへ独立する前に準備しておくべきこと12選を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスエンジニア独立前の準備・やること12選!なる手順も紹介

まとめ

フリーランスセキュリティエンジニアは会社員よりも高い収入を得られたり、自由に仕事を選べたりとメリットが多いです。また、今後も需要が増えることが予想され、求人も増えるでしょう。

しかし、収入を安定させるためには、スキルアップや営業力が欠かせません。場合によっては会社員時代よりも収入が減ってしまう可能性もあります。

そのため、フリーランスは自走できる人におすすめです。