フリーランスが加入できる年金とは?特徴から増やし方までわかりやすく解説

「フリーランスに年金ってあるの?」
「払わないとどうなるの?」
「年金だけだと足りないって聞くし、老後が心配…」

と悩んでいませんか?

フリーランスになりたい気持ちはあるものの、老後を考えると年金がもらえるのか気になりますよね。

ただ、調べても呪文のような漢字ばかりが出てくるため、理解する気が起きない方は多いはず。

そこで今回はフリーランスが加入する国民年金制度の特徴を、免除の仕方や保険料を払わないとどうなるのか、老後の支給額を増やす方法も交えわかりやすく解説します。

この記事を読めば、フリーランスの年金制度について理解できるだけでなく、安心して老後を過ごす術も得ることができますよ。

フリーランスが加入する国民年金とは?

フリーランスが加入する国民年金とは、20歳~60歳未満の国民全員に加入が義務付けられた年金制度です。

そもそも年金は、会社員が加入する厚生年金と会社員以外の方が加入する国民年金にわけられます。

先に述べたように、日本に住む国民はどちらかの年金制度へ加入しなくてはなりませんから、フリーランスは国民年金へ加入することになるわけです。

もちろん、義務付けられるのは加入だけではありません。

会社員は厚生年金保険料、会社員以外の方は国民年金保険料の支払いも義務付けられます。

そのためフリーランスへ独立した際、会社員でない方は国民年金保険の加入手続き、会社員から独立する方は厚生年金保険を国民年金保険へ切り替える手続きが必要です。

ちなみに、下記3つが国民年金の大きな特徴になります。

  • 保険料の支払いは月払いか年払いかを選べる
  • 支払う保険料は1年ごとに増えていく
  • 老後の支給額は加入期間の長さで決まる

1年で生まれる子供の数が減り、年金をもらう高齢者が増えている日本の状況から、今後も支払う保険料は増えていく一方です。

ただ、老後の支給額は加入期間の長さで決まるため、着実に払い続けるのが賢明ですね。

国民年金っていくら払うの?

令和3年(2021年)のフリーランスが払う国民年金保険料は、月額16,610円です。

日本年金機構「国民年金保険料の変遷」を参考に作成

先ほど、国民年金保険料の支払額は年々上がっていると解説しましたね。

具体的に見てみると、現在の保険料は450円だった1970年から約1,6000円以上も高くなっているのです(上画像)。

今後も支払う保険料は右肩上がりに増えてく可能性が高いため、フリーランスは一層お金の管理が求められますね。

ちなみに、国民年金保険料は下記の3つから好きな方法を選んで支払が可能です。

  • 銀行の口座振替
  • クレジットカード
  • 現金

手間をかけず毎月確実に支払いを済ませたい方は、銀行の口座振替がおすすめですよ。

支払う国民年金保険料は安くできるの?

「国民年金前納割引制度」を活用すれば、フリーランスの支払う国民年金保険料は安くできます。

国民年金前納割引制度とは、6ヶ月/1年度/2年度分いずれかの保険料を前もって収めることで支払い額が割り引かれる制度です。

いわば、事前に納めてくれた方への「特典」のようなものですね。

日本年金機構「国民年金前納割引制度」を参考に作成

「現金払いのみ」という条件はあるものの、1年度分の保険料を前納すれば3,540円、2年度分を前納すれば14,590円と支払う金額を大幅に安くできます(上画像)。

少しでも支払う保険料を安くしたいフリーランスの方は、前納割引制度が活用できるよう、計画的にお金を管理しておくと良いですよ。

ちなみに、リストラや入院といった不測の事態で年金の納付が難しくなった際は、支払いを免除することも可能です。

もちろん、免除期間に支払わなかった分だけ受け取れる年金が少なくなります。

ただ、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」の手続きをしておけば、遅延金や罰則が課される心配はありません。

会社の後ろ盾がなく、収入も不安定になりがちなフリーランスには嬉しい制度ですよね。

下に国民年金基金の公式サイトを載せているので、免除手続きの詳しい概要や手順を知りたい方は参考にしてください。

参考 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度日本年金機構

国民年金保険料を払わないとどうなるの?

国民年金保険料を支払わない、または支払いが遅れた場合、段階によって異なるペナルティが課せられます

順を追って解説しますね。

まず、期限内に国民年金保険料を払えないまたは払い忘れた場合には、督促状(とくそくじょう)が届きます。

督促状とは、「〇月〇日までに△△円をご入金ください」のような形で、支払期日と支払額が記載された請求書のことですね。

督促状が届いても、記載された期日までに国民年金保険料を納付できれば問題ないので、安心してください。

しかし、督促状へ記載された期日までに国民年金保険料を支払えないと、両親や配偶者へ財産調査または差し押さえを予告する書面が届きます。

「差し押さえ」と聞くと怖いイメージを持つ方もいますよね。

簡単に言うと、「預貯金や家財といった、国民年金保険料の代わりになるものはありませんか?」と聞かれているわけです。

支払えていない国民年金保険料に相応の預貯金や家財があれば、それらを引き渡すことで支払いを済ませる流れになります。

ただ、納付が遅れた分の延滞金も上乗せされるため、本来の国民年金保険料よりも高い金額を払うのです。

国民年金保険料の納付は国民の義務である以上、支払いは免れられません。

「このままじゃ払えなくなりそう…」と感じた際は見て見ぬふりをするのではなく、上記で解説した免除手続きを早めに行いましょう。

フリーランスが受け取れる年金は少ない?老後はやっていけるの?

「国民年金だけで老後の生活ってできるの?」

と不安を感じている方もいますよね。

そんな方に向け、ここからはフリーランスが国民年金だけで老後の生活ができるのかを、会社員が受け取る年金額との違いや老後の生活費も交えて解説します。

会社員が受け取る年金額との違い

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に作成

上画像を見てわかるように、フリーランスが受け取る年金の平均月額56,049円に対して会社員は146,162円、両者には約90,000円もの違いがあります

「こんなに違うの?どうして?」と疑問を感じた方もいますよね。

それは、国民年金と厚生年金の仕組みが異なるからです。

フリーランスが加入する国民年金は、所得に関わらず一律の保険料を納めますが、受給額には上限があります。

40年間加入すれば、満額の年金が受け取れる仕組みです。

一方、会社員が加入する厚生年金は、年収によって納める保険料が異なります。

年収が高ければ高いほど、納める保険料は多くなるわけです。

ただ、受給額に上限はなく、多く納めた分だけ受給額は増える仕組みになります。

もちろん、国民年金と厚生年金に優劣が付くわけではありません。

一律の保険料を納める国民年金と比べ、厚生年金の方が納める保険料は多いため、受け取る年金額にも差が出るわけです。

国民年金で老後の生活はできるのか

結論、余裕のある老後生活を国民年金だけで送るのは困難です。

厚生労働省年金局「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」総務省統計局「令和元年度 家計調査年報(家計収支編)」を参考に作成

上の画像から、受け取れる国民年金に対し、老後の生活費が大きく上回っているのがわかります。

ただあくまで、老後の生活費は年金受給者全体の平均支出のため、一概に「国民年金だけでは老後の生活ができない」とは言い切れません。

「食費にこんなかけないよ!」なんて方もいますよね。

しかし、本来国民年金は「最低限の老後生活を支える制度」のため、余裕のある老後生活を国民年金だけで送るのは困難だと言えます。

好きなものを食べたり旅行に行くといった娯楽をフリーランスが老後で楽しむには、今のうちからどれだけ蓄えを作れるかが肝になりますよ。

フリーランスが受け取る年金を増やすおすすめ制度3選

「フリーランスが受け取れる年金を増やす方法ってないの?」

と疑問を感じている方も多いはず。

そこで、ここからはフリーランスが受け取る年金を増やすおすすめの方法を3つ紹介します。

  • 付加年金制度
  • 国民年金基金制度
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)

特徴やおすすめする理由も交え、それぞれ紹介していきますね。

付加年金制度

日本年金機構付加保険料の納付のご案内」を参考に作成

付加年金制度とは、通常の国民年金保険料に加え付加保険料を納付することで、老後の支給額を増やせる制度です。

上記でも解説しましたが、国民年金は納める保険料が一律な反面、老後の支給額には上限があります。

しかし、付加年金制度を活用すれば納める保険料は増えるものの、老後に受け取れる年金額を増やせるわけです。

受け取れる年金額に上限のある国民年金加入者には、なんとも嬉しい制度ですよね。

付加年金制度の主な特徴は、次の5つになります。

  • 付加保険料は月額400円(令和3年度)
  • 支給額は納付した月に200円をかけた金額(200円×納付月数)
  • 2年で納めた保険料の元が取れる
  • 納付と支給のタイミングは国民年金とセット

国民年金だけでは老後が心もとないと感じているフリーランスの方は、加入を検討してみると良いですよ。

国民年金基金制度

全国国民年金基金国民年金基金とは」を参考に作成

国民年金基金制度も、付加年金制度と同じく国民年金保険料に上乗せして納めることで、老後の支給額を増やす制度です。

上記にて、国民年金へ加入するフリーランスと厚生年金へ加入する会社員では、老後の支給額に大きな差があるのを解説しましたね。

国民年金基金制度は、まさにこの「支給額の差」を減らすために生まれた制度。いわば、会社員の厚生年金に相当するのが、国民年金基金というわけです。

国民年金基金の主な特徴は、次の6つになります。

  • 支給額は掛金と加入期間によって決まる
  • 終身年金(亡くなるまで年金が受け取れる)
  • 7種類から加入プランを選べる(組み合わせも可能)
  • 掛金にかかる所得税や住民税が軽減される
  • 途中で脱退できない
  • 付加年金制度との併用はできない

ただ注意として、国民年金基金と付加年金制度の併用はできないため、両者の特徴を踏まえた上で加入を検討すると良いですよ。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

iDeCo公式サイトを参考に作成

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、掛金を自分で運用することで老後に必要な資産を蓄える年金制度です。

上記で解説した厚生年金へ加入する会社員との「支給額の差」を減らす目的で、2001年から始められました。

月5,000円から始められ、年に一度1,000円単位で掛金の設定額を変更できます。

また、上記の付加年金制度や国民年金基金との併用も可能です。

他の制度と合わせて活用できるだけでなく、自分のペースで老後に必要な資金作りができるのは嬉しいポイントですよね。

ただ、掛金には月68,000円の上限があったり、運用手数料がかかるなどの特徴もあるため、活用する際は注意が必要です。

iDeCoは一般的な「資産運用」と違い、決められた制度の中で安全に老後の蓄えを作れるため、知識や経験のないフリーランスの方でも安心して活用できますよ。

フリーランスがその他に加入すべきおすすめ制度

上記に加え、フリーランスが加入すべき下記2つのおすすめ制度も合わせて紹介します。

  • 小規模企業共済
  • 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

2つとも年金制度ではありませんが、老後やフリーランスの生活を支えてくれる制度です。

おすすめする理由も踏まえ、それぞれ解説していきますね。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、小さな規模で事業を営む経営者やフリーランスなどに向けた退職金制度です。

会社に所属しない個人の方は一定額を積み立てることで、退職金を蓄えられます。

いわば、一般的な退職金の「個人バージョン」ですね。

月々の掛金は、1,000円~70,000円の間を500円単位で自由に設定できます。掛金の増額や減額は加入後も可能です。

また、掛金は所得控除の対象になるため、税金面で優遇されるのも魅力の1つ。

退職金のないフリーランスでも、小規模企業共済を活用すれば、自分のペースで退職金を積み立てられますよ。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)とは、取引先が倒産した際に自分の会社が倒産や経営難に陥らないよう防止する制度です。

加入者は、「回収が困難になった売掛金や債権額」または「掛金の10倍(金額上限8,000万円)」どちらか少ない金額を、担保や保証人なしで借り入れできます。

月額の掛金は、5,000円~200,000円の間を自由に選択でき、加入後の増額や減額も可能です。

取引先が夜逃げした場合を除き、借り入れに特別な条件がないのも魅力1つ。

会社の後ろ盾がないフリーランスが緊急時の備えをつくるにはもってこいの制度ですね。

老後が不安なフリーランスは今のうちに稼ぐべし

ここまで、フリーランスが加入する国民年金制度の特徴を、年金の増やし方も交えて解説しました。

今回の内容からもわかるように、老後が不安なフリーランスは今のうちに必要な資金を稼いでおくのが賢明です。

付加年金やiDeCoといった制度を活用するにせよ、フリーランスが老後に受け取れる年金を増やすためには、積み立てる金額を多くするしかありませんからね。

そのため、フリーランスとして報酬を上げられるかはもちろん、老後を見据えた支出の管理が重要です。

いくら稼ぎが増えても、収入以上に支出していれば、老後に必要な資金は貯まりませんよね。

計画的に掛金を増やしたり報酬単価を上げるためのスキルを習得するなど、理想の老後生活を見据え、今のうちからできることへ励んでいきましょう。

まとめ

今回は、フリーランスが加入する国民年金制度の特徴を、免除の仕方や保険料を払わないとどうなるのか、老後の支給額を増やす方法も交えて解説しました。

会社に所属しないフリーランスは、自由な働き方を手にする一方、「自分の身は自分で守る」がモットーです。

そのため、自分の考え方や行動次第で、理想を実現できるかが決まります。

「元気なうちに老後のことを考えておけばよかった…」と後悔しないよう、老後に必要な資金を蓄えられるよう、今の稼ぎを増やしていきましょう。