Javaのインターフェースとは?コード例も交え使い方を紹介

Java学習において初心者がつまずくのは、「インターフェース」と「抽象クラス(abstract)」の概念です。

「インターフェース」と「抽象クラス(abstract)」は類似した性質を持っていますが、厳密には異なります。Javaの中・上級者になるには、概念の理解が不可欠です。

以下では、インターフェースと抽象クラスの違いや使い分けについて説明します。

Javaのインターフェースとは?

Javaのインターフェースとは、プログラミング言語Javaで提供されている仕組みの一つで、クラス間のコミュニケーションをうまく行うために利用されます。

インターフェースは、あるクラスが持つべきメソッドの仕様を定義する役割を担い、クラス同士が互いに期待する動作を明確にしたり、クラス設計を柔軟かつ一貫性のあるものにすることが可能です。

インターフェースの利点は主に次の3つ。

  • 柔軟な設計が可能
  • 再利用性が高まる
  • コードのメンテナンスが容易

まず、柔軟な設計が可能になります。インターフェースを利用することで、クラスの継承関係ではなく、インターフェースで定義されたメソッドを共有することができ、継承の制約に縛られずにコード構造を組めるでしょう。

また、再利用性が高まるため、同じインターフェースを持つクラスは互換性があります。一度作成したクラスやメソッドが他の場所でも使いやすくなるでしょう。

コードのメンテナンスが容易になります。インターフェースを利用することで、変更があった時に影響を受ける箇所を最小限に抑えることができ、開発効率や保守性が向上するでしょう。

Javaのインターフェースはクラス設計の柔軟性や再利用性、保守性向上などのメリットがあります。利点を活かすことで、プログラム全体の品質を向上させることができるでしょう。

Javaインターフェースの基本的な書き方

Javaインターフェースの基本的な書き方について説明します。まずは、インターフェースの定義方法です。インターフェースを定義するには、”interface”というキーワードを使います。例えば「IMyInterface」というインターフェースを定義する場合、次のように書くことができるでしょう。

interface IMyInterface {
  void myMethod();
}

このように、インターフェースはメソッドの本体を持たないで、メソッドのシグネチャ(戻り値型、メソッド名、引数)だけを定義します。そして、具体的な実装は各クラスで記述。

インターフェースを実装するクラスでは、”implements”キーワードを使ってインターフェースを指定します。以下の例は、「IMyInterface」を実装する「MyClass」というクラスの例です。

class MyClass implements IMyInterface {
  public void myMethod() {
    // 実装内容
  }
}

このように、インターフェースとその実装クラスをうまく使い分けることで、Javaプログラムの柔軟性や保守性を高めることができます。

実装する方法

実装とは、プログラムやアプリケーションに機能を追加することです。それでは、具体的な実装方法について説明します。

まず、リーダブルなコードを書くことが重要。他の開発者がコードを容易に理解することができ、協力しやすくなるためです。リーダブルなコードを書くためには、適切な変数名や関数名の使用、コメントの記載、コードの整形が挙げられます。

次に、機能ごとに実装を分割することが推奨されるでしょう。各機能のテストが容易に行え、デバッグしやすくなります。また、修正や追加があった場合に影響範囲を把握しやすくなるでしょう。

さらにコードの再利用性を考慮し、関数やクラスを用いたモジュール化を行うことがよいでしょう。同じ機能を複数の箇所で使用する際に、コードの重複を減らし、保守性を向上させるためです。

エラーハンドリングを適切に行うことが重要になります。例外が発生した場合に、適切なメッセージを出力し、プログラムが適切な動作を続けることができるように処理を記述することが重要です。

これらの方法を踏まえ、最適な実装方法を選択していくことが、効率的で高品質なプログラム開発につながるでしょう。

継承する方法

継承とは、オブジェクト指向プログラミングにおいて、あるクラスの特性を別のクラスが引き継ぐことです。具体的な継承方法について説明します。

まず、親クラス(基底クラス)を定義を行います。

親クラスでは、共通の性質や機能を持つメンバ変数やメソッドを記述します。継承する子クラス(派生クラス)にも引き継がれるでしょう。

次に、子クラスを定義します。子クラスでは、親クラスから継承されたメンバ変数やメソッドの利用が可能です。また、子クラス固有のメンバ変数やメソッドを追加して、親クラスとは異なる機能を持たせることができます。

さらに、メソッドのオーバーライドが行えるでしょう。これは親クラスに存在するメソッドを、子クラスで同じ名前で定義することで、親クラスのメソッドを上書きして新しい機能を実現する方法です。親クラスの機能を継承しつつ、必要に応じてカスタマイズできます。

最後に、継承関係を適切に設計することが大切です。継承関係が複雑になると、保守性が低下し、エラーが発生しやすくなります。一般的には、継承階層を深くせず、適切な抽象化を行ってシンプルな設計を心掛けることが望ましいです。

継承方法を適切に利用することで、コードの再利用性や保守性を高め、効率的なプログラム開発が可能になります。

Javaインターフェースを使う3つの理由

Javaインターフェースには、開発効率の向上や保守性の向上、柔軟性の向上といった利点があるため、多くの開発者が利用。具体的には以下の理由から使われています。

ポリモーフィズムを実現できる

Javaインターフェースを使うと、ポリモーフィズムを実現できることが大きな利点です。ポリモーフィズムとは、同じインターフェースを実装した異なるクラスのオブジェクトを、同じ型のオブジェクトとして扱うことができる特性。

この特性により、以下のような利点が得られます。

  • 異なるクラスのオブジェクトを一括して扱える
  • オブジェクトの型によって処理を分岐させる必要がなくなる
  • 既存のコードに変更を加えずに新しいクラスを追加できる

例えば、あるインターフェースを実装した複数のクラスがある場合、それぞれのクラスのインスタンスを配列やリストに格納し、一括して処理することができます。コードの見通しが良くなり、保守性や拡張性が向上するでしょう。

また、ポリモーフィズムを利用することで、異なるクラス間で共通する機能をインターフェースに定義することができ、コードの再利用性が向上します。これは、開発効率の向上にも繋がるでしょう。

Javaインターフェースを利用することで、ポリモーフィズムの特性を活かし、保守性や拡張性の高いコードを書くことができるため、開発者にとって非常に魅力的な機能です。

複数のインターフェースを多重継承できる

多重継承は、オブジェクト指向プログラミングにおいて重要な概念の一つです。プログラムのコードをより効率的に再利用可能にし、開発の生産性を向上させることができます。多重継承を利用することで、一つのクラスが複数のインターフェースを同時に継承が可能です。

様々な機能を持つインターフェースを組み合わせて、新たなクラスを作成することが可能になります。具体例として、あるウェブサイトのデータベースにアクセスするクラスを考えてみましょう。このクラスはデータベースへの接続機能と、データの操作機能を持っている必要があります。この場合、それぞれの機能を持つインターフェースを多重継承することで、新しいクラスを効率的に作成が可能です。

また、多重継承を利用することで、既存のコードを修正せずに、新たな機能を追加することができるという利点もあります。例えば既存のクラスがあるインターフェースを継承している場合、そのインターフェースに新たなメソッドを追加するだけで、クラスに新しい機能を追加できるでしょう。

多重継承の利用によって、プログラムの構造が複雑になることがあるため、適切な設計と実装が求められます。しかし、適切に多重継承を活用することで、コードの再利用性や拡張性を向上させ、開発の効率を大幅に向上が可能です。

実装漏れが防げる

インターフェースの利用によって、実装漏れを防ぐことができます。

インターフェースは、あるクラスが持つべきメソッドやプロパティの定義を行う必要があります。インターフェースを実装するクラスは、インターフェースに定義されたメソッドやプロパティを必ず実装しなければなりません。

例えば、あるウェブアプリケーションのログイン機能を実装する際に、ログイン処理を行うメソッドを備えたインターフェースを定義。ログイン機能を担当するクラスがインターフェースを実装することの強制ができます。これにより、ログイン処理の実装漏れを防ぐことが可能です。

またインターフェースを利用することで、プログラムの設計段階でクラス間の依存関係を明確化ができます。開発者はプログラムの全体構造を把握しやすくなり、それぞれのクラスの役割や責任が明確。このことから開発プロセスやチームワークが向上し、実装漏れを防ぐことができます。

インターフェースを利用したプログラム設計は、コードの再利用性や拡張性を向上させるだけでなく、実装漏れを防ぐことにも寄与するでしょう。適切にインターフェースを活用することで、開発の効率化やプログラムの安全性を向上ができます。

プログラミングの拡張性が高まる

近年、プログラミングの拡張性が高まっています。その理由は、オブジェクト指向プログラミングやモジュール化が進んでおり、コードの再利用性が高まっているからです。また、オープンソースの普及やAPIの利用により、独自の機能を追加しやすくなっています。

まず、オブジェクト指向プログラミングは、プログラムを「オブジェクト」という部品に分解し、それらを組み合わせて開発を行う方法です。コードの再利用性が高まり、プログラムの拡張性が向上しています。

具体例として、JavaやPython等のプログラミング言語では、クラスを定義してオブジェクト指向プログラミングが行えるでしょう。クラスが持つメソッドや属性を再利用できるため、効率的に開発が行えます。

次に、モジュール化についても触れておきましょう。モジュール化とは、プログラムを機能別に分割し、独立性を持たせることです。これにより他の部分との影響を受けずに独立して開発が可能になります。また、モジュール化によって、コードの見通しがよくなり、保守性も向上します。

さらに、オープンソースの普及により、多くのプログラムが自由に利用できるでしょう。既存のプログラムをカスタマイズすることが容易になり、拡張性が高まっています。例えば、WordPressのようなオープンソースのCMSを使用することで、独自のプラグインを作成して機能を追加することが可能です。

APIの利用によっても、拡張性が高まっています。APIとは、あらかじめ定義されたインターフェースを通じて、他のプログラムと連携することができる仕組みです。外部サービスやアプリケーションと連携して、機能を拡張することができます。

現代のプログラミングは拡張性が高まっており、開発者にとって便利な環境が整っています。

インターフェースの応用的な使い方

インターフェースは、プログラミングにおいて重要な役割を果たしています。応用的な使い方として、抽象化や疎結合に役立つでしょう。

まず、抽象化によって複数のクラスに共通する機能を定義。コードの再利用性や拡張性が向上します。具体例として、Javaでのインターフェースを用いた抽象化が挙げられるでしょう。複数のクラスが持つ共通のメソッドを定義し、クラス間の関連性を抽象化ができます。

また疎結合とは、プログラムの構成要素が互いに独立している状態のことで、インターフェースを用いることで実現が可能です。疎結合により、コードの変更や修正が容易になり、保守性が向上します。

例えば、データベースへのアクセス方法をインターフェースで定義することで、データベースが変更された場合でも、インターフェースを実装したクラスのみ修正すれば良いため、コードの修正が容易。

このようにインターフェースを応用的に使うことで、プログラムの拡張性や保守性が高まり、効率的な開発が行えます。

defaultメソッドの使い方

Java 8から導入されたdefaultメソッドは、インターフェースにおいて具体的な処理内容を持ったメソッドです。従来のインターフェースには抽象メソッドのみが存在しましたが、defaultメソッドを用いることでインターフェース内にデフォルトの実装が可能となりました。
defaultメソッドは、具体的な処理内容を持っているため、インターフェースを実装するクラスに対してもデフォルトの振る舞いを提供できます。すでに実装したクラスの修正なしにインターフェースにメソッドを追加できるので、後方互換性が向上しました。

defaultメソッドの使い方は簡単で、以下のようにインターフェース内でメソッドの前にdefaultキーワードを付けて記述します。

interface SampleInterface {
void abstractMethod();
default void defaultMethod() {
System.out.println("これはdefaultメソッドです。");
}
}

実装クラスでは、デフォルトメソッドをオーバーライドしたい場合は通常のメソッドと同様に記述できます。それ以外の場合は、デフォルトの実装が自動的に適用。

ただし、複数のインターフェースに同名のdefaultメソッドが存在する場合、実装クラスでは明示的にどちらの実装を使用するかを選択する必要があります。その際には、以下のようにsuperキーワードを使用して対象のインターフェースを指定しましょう。

class SampleClass implements InterfaceA, InterfaceB {
@Override
public void conflictingDefaultMethod() {
InterfaceA.super.conflictingDefaultMethod();
}
}

staticメソッドの使い方

staticメソッドは、インスタンスによらずクラスレベルで処理を行うためのメソッドです。クラスをインスタンス化せずに直接呼び出せるため、オブジェクト生成のコストがなく、軽量で使い勝手が良いと言われています。

staticメソッドは、メソッドの定義にstaticキーワードを使用して作成。以下のように記述されたstaticメソッドは、クラス名.メソッド名の形式で呼び出すことができます。

class SampleClass {
static void staticMethod() {
System.out.println("これはstaticメソッドです。");
}
}
SampleClass.staticMethod();

ただし、staticメソッド内ではインスタンス変数やインスタンスメソッドに直接アクセスできません。インスタンスに依存しない処理や、汎用的なユーティリティメソッドを実装する際に適しています。

また、インターフェースでもstaticメソッドを定義しましょう。インターフェース内でのstaticメソッド定義は、以下のように行われます。

interface SampleInterface {
static void staticMethod() {
System.out.println("これはインターフェースのstaticメソッドです。");
}
}

インターフェースのstaticメソッドは、同様にクラス名.メソッド名の形式で呼び出しが可能です。この機能を利用して、インターフェースに関連した汎用的な処理を定義できます。

Javaインターフェースと抽象クラスを使い分ける方法

Javaインターフェースと抽象クラスはどちらも抽象化の手段であり、それぞれ異なる状況で使い分ける必要があります。インターフェースは主にAPIの仕様を示すために使用され、実装クラスが共通の操作を提供することを保証。一方、抽象クラスは継承によって部分的な実装や状態を共有するために使用されます。

具体的には、インターフェースは複数のインターフェースを実装することができるため、多重継承が必要な場合に適するでしょう。また、抽象クラスは実装を一部共有するため、柔軟性が高くなります。しかし、単一継承制限があるため、複数の抽象クラスを同時に継承はできません。

インターフェースはAPIの仕様を示し、複数のインターフェースを実装できるため多重継承が必要な場合に適し、抽象クラスは部分的な実装や状態を共有するために使用され、柔軟性が高くなりますが、単一継承制限があります。

インターフェースと抽象クラスの違い

インターフェースと抽象クラスにはいくつかの違いがあります。インターフェースは主に以下の特徴。

  • すべてのメソッドが抽象メソッドである
  • フィールドはすべて定数として定義される
  • 複数のインターフェースを同時に実装できる

一方、抽象クラスは以下の特徴があります。

  • 抽象メソッドと具象メソッドの両方を持つことができる
  • フィールドに状態を持つことができる
  • 単一継承制限がある

インターフェースは、あるオブジェクトがどのような操作ができるかを定義するために使用されます。すべてのメソッドは抽象メソッドであり、実装クラスが提供するべき操作を示すでしょう。

抽象クラスは、あるオブジェクトがどのような状態を持つか、およびその状態をどのように操作するかを定義するために使用されます。

抽象クラスは具象メソッドを持つことができるため、継承したクラスに一部の実装を共有が可能です。また、インターフェースは複数同時に実装できるため、Javaの多重継承を可能にしています。一方、抽象クラスは単一継承制限があり、一度に継承できるのは1つの抽象クラスのみです。これらの違いを踏まえて、Java開発においてインターフェースと抽象クラスを適切に使い分けることが重要になります。

使い分ける方法

Javaでは、インターフェースと抽象クラスを使い分けることが重要です。インターフェースは異なるクラス間で共通の振る舞いを定義し、多重継承の制限を回避。

一方、抽象クラスは共通の振る舞いを持つが、具象メソッドも提供できます。複数のクラスが同じ基本構造を共有する場合は、抽象クラスを使用しましょう。インターフェースは、異なるクラスが同じ振る舞いを実装する場合に有用です。

Javaプログラミングのスキルを活かして収入を増やすなら

なかには、副業での収入獲得やフリーランスへの独立を目的にJavaプログラミングのスキル習得に励んでいる人もいますよね。

ただ、身につけたスキルをどう収入UPに繋げればいいのか、イメージが湧かない人もいるはず。

そんな方は、ぜひフリーランスのミカタをご活用ください。

出典:フリーランスのミカタ

フリーランスのミカタは、平均単価80万円以上の案件を取り揃える、ITエンジニアに特化したフリーランスエージェントです。具体的には、次のような週3回からフルリモートで請け負える案件を豊富に掲載しています。

また希望年収や稼働時間だけでなく、扱うプログラミング言語などを細かく指定して案件を探せるため、自分にあう仕事を見つけやすいサイト仕様になっています。

ただし、上記のような案件は条件として2〜3年の実務経験が求められるケースが多いです。そのため、応募する際はどれくらいの経験が必要なのかを前もってチェックしておきましょう。

フリーランスのミカタを活用すれば、中・長期的な安定収入が得られる案件が見つかりますよ。

どんな案件が掲載されているか気になる人は、下のボタンから自分にあう案件を探してみてください。

まとめ

今回は、インターフェースと抽象クラスに焦点を当てました。

初心者の方は、まずはインターフェースと抽象クラスの概念を理解した後、それぞれが使われたプログラムを比較してみることから始めると良いでしょう。