Javaのメソッドとは?呼び出し方や使い方も紹介

Javaメソッドは、プログラム内で繰り返し行われる特定のタスクを実行するためのコードのブロックです。

これらはプログラムの再利用性と整理を高めることに貢献し、開発者がコードの読みやすさとメンテナンスのしやすさを向上させることを可能にするでしょう。メソッドは引数を受け取り、実行後に結果を返すことができ、これによりプログラムの柔軟性が高まります。

この記事では、Javaメソッドについて基礎知識や定義などを解説します。

Javaメソッドとは

Javaメソッドとは、プログラムの処理をひとまとめにしたもので、コードの再利用性や可読性を向上させます。プログラムを効率的に開発するために、メソッドを用いて処理を分割し、適切な場所に配置することが大切です。

また、Javaではオブジェクト指向プログラミングが可能であり、メソッドはクラスという概念の中で利用されます。クラスはデータとそのデータに対する操作(メソッド)をひとまとめにしたもので、オブジェクト(インスタンス)を生成が可能です。

メソッドは、引数と戻り値を持つことができます。引数とは、メソッドが実行される際に渡されるデータであり、戻り値は、メソッドの処理結果を呼び出し元に返すものです。そのため、メソッドはプログラムの構造を整理し、効率的に開発することができます。

具体例としては数値計算や文字列操作など、複数の場所で同様の処理が必要な場合に、メソッドを用いることでコードの重複を避け、メンテナンス性も向上させることができます。
Javaメソッドはプログラムの品質を向上させるための重要な概念と言えるでしょう。

Javaメソッドの基礎知識

Javaメソッドの基礎知識には、以下のような点が挙げられます。

  • メソッド名はわかりやすく、動作を表す動詞が一般的です。
  • 引数として必要なデータを受け取り、戻り値として処理結果を返します。
  • クラスの中に定義され、オブジェクト(インスタンス)を通じて利用されます。

このような基礎知識を押さえておくことで、Javaメソッドの理解が深まり、効率的なプログラム開発が可能となります。

ここでは、Javaメソッドの基礎知識として以下の5つを紹介します。

メソッドの呼び出し方

メソッドの呼び出し方には、クラス(静的)メソッドとインスタンスメソッドの2種類があります。まず、クラス(静的)メソッドは、クラス名.メソッド名(引数)の形式で呼び出すことができるでしょう。

これに対して、インスタンスメソッドは、オブジェクト(インスタンス)を生成してから、インスタンス名.メソッド名(引数)の形式で呼び出します。クラス(静的)メソッドは、インスタンスを生成せずに利用できるため、インスタンスに依存しない汎用的な処理に適しているでしょう。例えば、数学的な計算や基本的な文字列操作などがこれに該当します。

一方、インスタンスメソッドは、インスタンスごとに状態を持つため、インスタンス固有の処理に適しているでしょう。例えば、オブジェクトの状態に応じて異なる振る舞いをするメソッドがこれに該当します。

メソッドの呼び出し方を理解し、適切な使い分けをすることで、効率的かつ柔軟なプログラム開発が行えるでしょう。

引数・戻り値の使い方

引数と戻り値は、プログラミングにおいて重要な概念です。引数は、関数やメソッドに渡される情報で、戻り値は、関数やメソッドが処理結果を返すことを指します。

まず引数についてですが、例えば足し算をする関数があるとしましょう。この場合、足す数値を関数に渡す必要があります。これら数値が引数になります。関数やメソッドは引数を受け取って、それを元に処理を行いましょう。

引数は、関数やメソッドを実行する際に指定します。また、引数は複数指定することも可能です。複数の引数を受け取る場合、関数やメソッドの定義時にカンマで区切って引数を並べます。

次に戻り値についてです。戻り値は、関数やメソッドが処理を終えた後に返す値のことを言います。先程の足し算の例で言えば、足し算の結果が戻り値になります。戻り値は、関数やメソッド内でreturn文を使って指定。

戻り値を使うことで、関数やメソッドの処理結果を他の変数に代入したり、別の関数やメソッドに渡すことができます。戻り値がない場合、処理結果を外部で利用ができません。

引数と戻り値を使いこなすことで、効率的にプログラムを作成することができます。引数を使って柔軟に情報を受け渡し、戻り値で処理結果を活用することを意識すると良いでしょう。

staticメソッドの使い方

staticメソッドは、オブジェクトを生成せずにクラスから直接呼び出すことができるメソッドです。通常のメソッドは、クラスからオブジェクトを生成し、そのオブジェクトからメソッドを呼び出す必要があります。しかし、staticメソッドはオブジェクト生成なしで利用できるため、手軽に使えるのが特徴です。

staticメソッドは、メソッド定義の前にstaticキーワードを付けて定義します。そして、呼び出し方はクラス名.メソッド名でアクセスが可能です。例えば、Mathクラスのsqrtメソッドはstaticメソッドで、Math.sqrt(9)と記述することで平方根を計算できます。

staticメソッドは、状態を持たない処理やユーティリティ関数に適しているでしょう。オブジェクトの状態に依存しない処理や、共通で使用される処理をまとめたい場合に有効です。

ただし、staticメソッドの使いすぎには注意が必要です。オブジェクト指向プログラミングでは、適切なクラス分割とオブジェクト生成による柔軟性が求められます。過剰なstaticメソッドの使用は、オブジェクト指向プログラミングの理念に反する場合があるでしょう。
staticメソッドの使い方を理解し、適切な場面で活用することで、効率的なプログラムを作成ができます。

メソッドのオーバーロード

メソッドのオーバーロードは、同じ名前のメソッドを別の引数で複数定義することです。これにより、理由として以下の3つのメリットがあります。

1. 開発者が記述するコードがシンプルになる
オーバーロードを利用することで、同じ名前で異なる処理を行うメソッドを作ることができます。これにより、開発者は複数のメソッド名を覚える必要が無くなり、コードがシンプルになるでしょう。

具体例として、数値の絶対値を求めるメソッドがある場合、整数型と実数型の2つの引数タイプがあるとします。この時、メソッド名を”absoluteInt”と”absoluteDouble”のように分けず、”absolute”という名前でオーバーロードすることで、開発者がより簡単にコードを記述が可能です。

2. メソッドの呼び出し側がわかりやすくなる
オーバーロードされたメソッドは、引数の型や個数に応じて自動的に適切なメソッドが呼び出されます。これにより、メソッドの呼び出し側のコードがわかりやすくなるでしょう。

3. コードの再利用が容易になる
同じメソッド名で複数の処理を定義できるため、コードの再利用が容易になります。例えば、異なる引数の型で同じ処理を行う場合、オーバーロードを利用することでコード量を削減できるでしょう。

メソッドのアクセス修飾子

メソッドのアクセス修飾子は、メソッドがどの程度の範囲でアクセス可能かを制御するための機能です。アクセス修飾子には主に4つの種類があります。

  • public:どのクラスからもアクセス可能
  • protected:同じパッケージ内のクラスやサブクラスからアクセス可能
  • private:同じクラス内からのみアクセス可能
  • (なし):同じパッケージ内のクラスからアクセス可能

アクセス修飾子を使用する理由は、以下の2つの目的があります。

1. クラスのカプセル化
クラス内にアクセス修飾子を設定することで、外部からアクセス不要なメソッドや変数を隠蔽し、クラスをカプセル化することができます。これにより、クラスの内部構造が変更されても、外部からの影響を最小限に抑えることが可能です。

2. コードの保守性の向上
アクセス修飾子を適切に設定することで、他のクラスからアクセスすべきでないメソッドや変数にアクセスされるのを防ぎます。これにより、コードの保守性が向上し、未然にバグを防ぐことが可能です。

なぜメソッドを定義するのか

メソッドを定義する理由は、コードの再利用性を向上させることです。メソッドは、特定の処理をまとめて記述したものであり、それにより以下の効果が得られます。

  1. コードの構造が明確になる
  2. コードの再利用が容易になる
  3. コードの修正や保守がしやすくなる

メソッドを定義することでプログラムの品質が向上し、開発効率が向上します。

メソッドの定義方法

プログラミングにおいて、メソッドはコード内で行われる操作や処理をまとめたもので、再利用可能で効率的なコードを書く上で欠かせません。

まずは、基本的なメソッドの定義方法を見ていきましょう。「def」というキーワードを使って、メソッド名とその引数を指定し、次にコロンを使って処理を記述します。処理が終わったら、そのメソッドを終了させるために「end」と書きましょう。

メソッドの名前は、英小文字とアンダースコアを使ってわかりやすく命名することが一般的です。引数は、メソッドが受け取るデータを指定し、そのデータを使って処理を行います。
また、処理の結果を呼び出し元に返すことができるので、再利用が容易になるでしょう。

次に、引数がデフォルト値を持つメソッドの定義方法について説明します。引数にデフォルト値を指定することで、メソッド呼び出し時に引数が省略された場合にも、デフォルト値を使って処理を行うことが可能です。これにより、より柔軟なコードを書くことができます。

最後にクラスメソッドについて紹介。クラスメソッドとは、インスタンス化せずにクラス名を使って呼び出すことのできるメソッドです。「self.メソッド名」の形で定義し、クラスオブジェクトを通じて呼び出すことができます。これにより、オブジェクトの状態に関係なく処理を行うことが可能です。

修飾子とreturn式

修飾子は、メソッドや変数の可視範囲や性質を制御するもので、return式はメソッドから値を返すために使用されるでしょう。代表的な修飾子には、public, protected, privateがあります。

publicは、どこからでもアクセスできる範囲を示し、protectedは、同じクラスやサブクラスからアクセスできる範囲を示します。privateは、そのクラス内でのみアクセスが可能な範囲を示すでしょう。これらの修飾子を使って、適切な範囲でメソッドや変数を使用できるように制御します。

return式は、メソッド内で処理された結果を呼び出し元に返すために使用されるでしょう。returnキーワードの後に返す値を記述し、その値が呼び出し元に戻されます。これにより、他のメソッドや変数に結果を利用することが可能です。

ただしreturn式を省略した場合、メソッド内で最後に評価された式の値が自動的に返されます。このため、必ずしもreturn式を使わなくても値を返すことができますが、明示的にreturn式を記述することで、コードの可読性が向上するでしょう。

上記を適切に活用することで、コードの整理や効率化、可読性の向上につながります。プログラミングを行う際に、修飾子とreturn式の使い方を理解し、適切に使用していきましょう。

Javaメソッドの実行方法

Javaメソッドは、プログラムの中で繰り返し使用される処理をひとまとめにし、コードの可読性や再利用性を向上させるための機能です。実行方法は、以下の手順で行います。

まず、メソッドの定義を行いましょう。メソッド定義は、アクセス修飾子、戻り値の型、メソッド名、引数を組み合わせて記述します。例として、2つの整数を加算して結果を返すメソッドを定義してみましょう。

public static int add(int num1, int num2) {
return num1 + num2;
}

上記の例では、アクセス修飾子としてpublic、戻り値の型としてint、メソッド名としてadd、引数としてint型のnum1とnum2を定義。メソッドの本体は、波括弧{}内に記述されます。

メソッドの実行は、定義したメソッドを呼び出すことで行われるでしょう。メソッド呼び出しは、メソッド名(引数)の形式で記述します。引数には、実際に処理される値を指定します。上記の例であれば、以下のように実行しましょう。
int result = add(3, 5);

上記の場合、addメソッドに3と5を引数として渡し、その結果がresult変数に代入されます。実行すると、result変数には加算された整数、つまり8が代入されることになるでしょう。

以上のようにメソッドを定義し、呼び出すことでJavaプログラム内で処理を効率的に行うことができます。

Javaメソッドの応用的な使い方

Javaメソッドの応用的な使い方として、再帰呼び出しやオーバーロードがあります。再帰呼び出しは、メソッドが自分自身を呼び出すことを指しましょう。再帰呼び出しを利用することで、繰り返し処理を行う際にコードがシンプルになることがあります。

オーバーロードは、同じメソッド名で引数の型や個数が異なる複数のメソッドを定義することです。引数に応じて適切な処理が行われるようになり、コードの可読性が向上します。

メソッド名の取得方法

Javaでは、実行中のメソッド名を取得することが可能です。これはデバッグやログ出力などに役立ちます。メソッド名の取得方法は、以下のとおりです。

ThreadクラスのcurrentThreadメソッドを使い、現在実行中のスレッドを取得します。その後にスレッドオブジェクトのgetStackTraceメソッドを実行して、スタックトレースの配列を取得。

最後に配列の要素から、メソッド名を取得します。具体的なコード例を以下に示しましょう。

public static void main(String[] args) {
String methodName = getCurrentMethodName();
System.out.println("Method name: " + methodName);
}
public static String getCurrentMethodName() {
StackTraceElement[] stackTrace = Thread.currentThread().getStackTrace();
return stackTrace[2].getMethodName();
}

この例では、getCurrentMethodNameメソッド内でスタックトレースの配列を取得し、現在実行中のメソッド名を返しています。mainメソッド内でgetCurrentMethodNameメソッドを呼び出し、取得したメソッド名を表示しましょう。

メソッド参照の使い方

メソッド参照は、Java8から導入された機能で、ラムダ式の簡略化を目的としています。メソッド参照はラムダ式をよりシンプルに表現することができ、コードの可読性を高めることが可能です。

具体的には、メソッド参照を使うことで、短いコードで簡潔かつ明確にロジックを表現することができます。メソッド参照の使い方は、主に以下の4種類です。

  • 静的メソッド参照
  • インスタンスメソッド参照
  • オブジェクトのインスタンスメソッド参照
  • コンストラクタ参照

静的メソッド参照は、クラス名::静的メソッド名の形式で表現します。例えば、IntegerクラスのparseIntメソッドを参照する場合、「Integer::parseInt」と記述しましょう。

インスタンスメソッド参照は、インスタンスを生成する式::メソッド名の形式で表現します。例えば、「”Hello”::toUpperCase」と記述することで、”Hello”という文字列のtoUpperCaseメソッドを参照が可能です。

オブジェクトのインスタンスメソッド参照は、クラス名::インスタンスメソッド名の形式で表現します。例えば、StringクラスのcompareToメソッドを参照する場合、「String::compareTo」と記述。

コンストラクタ参照は、クラス名::newの形式で表現します。例えば、ArrayListクラスのコンストラクタを参照する場合、「ArrayList::new」と記述しましょう。

以上がメソッド参照の使い方です。ラムダ式と組み合わせることで、よりシンプルで読みやすいコードを実現できます。

メソッドチェーンの使い方

メソッドチェーンは複数のメソッドを連続して呼び出すことで、処理を簡潔に記述できる技法です。メソッドチェーンを使うことで、コードの可読性を向上ができます。

メソッドチェーンを実現するためには、各メソッドが自分自身のインスタンスを返すように実装することが必要です。具体的には、「return this;」と記述することで、自分自身のインスタンスを返すことができます。

例えば、StringBuilderクラスのappendメソッドは、自身のインスタンスを返すため、メソッドチェーンが可能です。

「new StringBuilder().append(“Hello”).append(” “).append(“World”).toString();」のように記述することで、文字列の連結を一行で表現ができます。

メソッドチェーンを使用する際には、適切な改行を行うことで、コードの可読性をさらに向上が可能です。

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まとめ

この記事では、Javaメソッドの基本概念とその重要性について解説しました。メソッドはプログラム内で特定の処理を行う再利用可能なコードブロックであり、プログラムの構造を整理し、コードの再利用性を高めることができます。

また、メソッドを使用することで、コードの読みやすさが向上し、開発プロセスが効率化されます。引数の受け渡しや戻り値を利用することで、柔軟かつ効果的なプログラミングが可能。このように、Javaメソッドはソフトウェア開発において不可欠な要素の一つです