フリーランスの節税対策おすすめ7選!申告時の注意点も紹介

【知らなきゃ損】 フリーランスが節税対策する 7つのポイント!

フリーランスになって一番重要となるのが、節税対策。やり方によっては納める額が多く、会社員時代と年収が変わらないといったことになってしまいます。


「フリーランスで節税ってどうやるの?」
「少しでも税金の納める額を小さくしたい」
「脱税じゃなくて節税の方法を教えて!」

脱税はしたくないし、でも賢く節税はしたいと思っていませんか?節税のやり方がわからず脱税になったらどうしようと不安に思う人もいるはず。

実際にフリーランスが会社員時代と同じ程度稼ぐには、会社員時代の1.5倍の稼ぎが必要とよく言われます。そこで少しでも手取りを多くするには節税が必須。

しかし、節税のための手続きはなかなか面倒です。節税対策をおろそかにして、損をしてしまっているフリーランスの方も多いでしょう。

そこで今回はフリーランスが知っておきたい節税対策のポイントを解説します。

フリーランスで節税対策をできるのは主に所得税

フリーランスが支払う税金の種類は以下の4つ。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税※所得が290万円以上のときかつ一定の業種のときのみ
  • 消費税※売上が1,000万円以上のとき

この中で節税ができるのは所得税です。住民税は所得に応じて決まるものなので、所得税を節税すれば自然と住民税の節税にも繋がります。

所得税は所得に応じて決められる税金で、日本の所得税は累進課税制度を採用しています。ちなみに、所得ごとの税率はこちらにて確認できます。

所得税の算出方法は、「課税所得金額×所得税率-控除額」。

まず所得とは、稼いだお金から経費を差し引いたものを言います。そして、課税所得は、所得から基礎控除などの所得控除を金額。基礎控除はこれまで一律で38万円でしたが、2020年度からは年収に応じて変動するシステムとなったので注意してください。

そして課税所得を求められたら、その金額に応じた税率を掛け、最後に税額控除分を差し引いて、復興特別所得税を足して算出します。

フリーランスが知らなきゃ損する節税ポイント

それでは、フリーランスができる節税対策にはどんなものが挙げられるのでしょうか。具体的なポイントを紹介していきます。

ポイント1:一部の税金を経費として計上する

一部の税金は経費として計上することが可能です。計上できる税金の例は以下の通り。

  • 事業税
  • 消費税
  • 固定資産税
  • 自動車税
  • 自動車所得税
  • 不動産所得税
  • 印紙税
  • 登録免許税

これらはすべて、租税公課という分類で計上可能です。ちょっとした額だとしても、複数の税金を計上すれば大きな額になりやすいので、忘れずに形上しましょう。

ポイント2:仕事で使うツールを経費計上する

仕事で使うツールももちろん経費として計上できます。例えば確定申告に使うクラウド会計ソフトや、仕事で使うソフトウェアなど。

これらを経費として計上する場合支払い履歴の提出が必要です。短期間で履歴が削除されてしまうサービスもあるので、こまめに支払い履歴をスクリーンショットなどして保存しましょう。

ポイント3:経費と控除の見直しをする

これまで計上できる経費を紹介してきましたが、見落としており経費があるかもしれません。また、確定申告には様々な控除があり、こちらも見落としてしまいがち。そこで一旦経費・控除の見直しをして、計上していないものが無いか確認してみましょう。

ちなみにフリーランスだと家で仕事をしている方も多いはず。その場合、家が仕事場と判断されるので、家賃・光熱費・インターネット料金の一部も経費として計上できます。

所得税の控除には所得控除と税額控除があります。控除の例は以下の通り。

  • 【所得控除】
    • 雑損控除
    • 医療費控除
    • 社会保険料控除
    • 小規模企業共済等掛金控除
    • 生命保険料控除
    • 地震保険料控除
    • 寄附金控除
    • 障害者控除
    • 寡婦控除・寡夫控除
    • 勤労学生控除
    • 配偶者控除
    • 配偶者特別控除・扶養控除
    • 基礎控除
  • 【税額控除】
    • 外国税額控除:
    • 政党等寄附金特別控除制度
    • 認定NPO法人等寄附金特別控除
    • 公益社団法人等寄附金特別控除
    • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除
    • 住宅耐震改修特別控除
    • 住宅特定改修特別税額控除
    • 配当控除

控除だけでもこれだけたくさんの種類があるので、見落としがない様にチェックしましょう。

ポイント4:青色申告で控除額を増やす

確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。手続きが簡単なのが白色、複雑なのが青色です。基本的に何も手続きをしないと白色申告となりますが、一定の手続きを踏めば、青色申告が利用できるようになります。

そこで青色申告に切り替えるメリットとして大きいのが控除額の大きさです。白色申告の場合無条件に受けられる控除額が10万円ですが、青色申告だとそれが65万円になります。

青色申告に切り替えるだけで55万円もお得なので、フリーランスとして働くなら青色申告を行いましょう。青色申告の手続きなどに関しては以下の記事にて解説しているのでチェックしてみてください。

フリーランスの青色申告ガイド!メリット・デメリット、やり方も紹介

ポイント5:少額減価償却資産の特例を受ける

白色申告から青色申告に切り替えるもう一つのメリットが少額減価償却資産の特例です。白色申告だと10万円以上の物品を経費計上したい場合、減価償却をする必要がありますが、青色申告に切り替えると10万円までから30万円までに変わります。

フリーランスとして働いていると、高額なパソコンなど10万円以上のものを購入する機会も多いでしょう。しかし、減価償却の計算はなかなか面倒。そこで30万円までのものなら一括で計上できます。

少額減価償却資産の特例は30万円以下のものなら何個でも適用されるわけではなく、合計300万円までなので注意しましょう。

ポイント6:確定拠出年金を積み立てておく

iDeCoのような、フリーランス向けの確定拠出年金制度も登場しています。確定拠出年金の掛金の全額が税額控除の対象となっており、こちらも節税のために活用すべきでしょう。

そもそもフリーランスが将来受け取れる年金は国民年金のみ。そこで将来のことを考えると、確定拠出年金を積立てておくメリットは節税以外の面でも大きいです。

ポイント7:ふるさと納税をする

ふるさと納税は寄付という形なので直接節税になるわけではありませんが、ふるさと納税を行うことで、公益社団法人等寄附金特別控除の対象となります。こちらの控除額は寄付金-2,000円(最大で総所得の40%)。

控除額が大きいうえに、2,000円で地方の美味しいものを食べたりレジャーを楽しんだりできると考えるとお得ですね。

フリーランスで節税対策をする上での注意点

フリーランスとして働いていると、節税を意識するようになりますが、それでも特に初心者だと見落としやすいミスもあります。そこで、フリーランスが節税対策をする上での注意点を確認していきましょう。

青色申告承認申請書は開業してから2ヶ月以内にする

先ほど解説したとおり、青色申告をするには事前に申請を出す必要があります。青色申告承認申請書は、開業から2ヶ月以内の提出が義務。万が一提出が遅れてしまうと、その年の確定申告で青色申告が選択できなくなってしまう可能性もあります。

そのため、青色申告承認申請書は忘れずに提出しましょう。ちなみに青色申告承認申請書の提出先は開業届と同じ管轄の税務署です。したがって、開業届と一緒に提出するのが良いでしょう。

備品購入はタイミングが大事

特に年末のタイミングで備品購入を検討している場合は、本当に今すぐ購入すべきかをよく考える必要があります。確定申告は前年の1月1日〜12月31日の収入などを申告するものです。そこで、前年が赤字で翌年が黒字だったとすると、年末に購入した場合は赤字が大きくなるだけですが、年明けに購入すれば翌年分の黒字額が小さくなり、その分所得税も低くなります。

このようにちょっとした備品購入でも節税に大きな影響が出るので、年末年始のタイミングで備品購入を考えるなら一旦その年の収支を確認しましょう。

節税のしすぎもNG

世間的には「節税はお得なもの」という認識ですが、フリーランスからすると節税で損をしてしまうこともあります。その場面が、クレジットカードなど社会的信用が必要な場面です。

節税とは、経費や控除を多く計上して所得を減らすもの。そこで節税をしすぎてしまうと、「この人は所得が少なく、社会的信用が低い」と判断されてしまうリスクがあります。

ただでさえフリーランスは雇用が不安定で社会的信用の低い働き方です。そこで所得も低いとなると、銀行から融資を受けたい、クレジットカードの契約をしたいなど思っているときに審査に通りにくくなってしまいます。

フリーランスの収入によっては法人化が節税になる

フリーランスは基本的には個人事業主として働いています。しかし、収入があまりにも多い場合、個人事業主ではなく、法人化した方がお得なケースがあります。

法人化のラインは課税所得330万円以上

フリーランスが法人化する目安は、課税所得が330万円以上になる場合です。

フリーランスが個人事業主として働いていると納める税金は所得税や住民税など。それに対し、法人化した場合は所得税ではなく法人税を納めることになります。

法人税の税率は年間所得800万円以下だと15%と定められています。そこで法人として法人税を納めた場合と、個人事業主として所得税を納めた場合を比較してみると、課税所得が330万円を超えるタイミングで法人の方がお得になります。

それ以外にも法人化は給与所得控除が受けられたり、社会的信用が高くなったりするので、課税所得が330万円に届きそうなタイミングで法人化を検討してみてください。

フリーランスはクレジットカードでの支払いで便利でお得に

これまでフリーランスの節税について解説してきましたが、これ以外にもお金の面で得する方法があります。その方法がクレジットカードでの支払いです。

クレジットカードだと、支払い時にポイントが付与されるでしょう。クレジットカードの支払い時に発生するポイントには税金が課されません。そのため、備品を購入したり、納税したりする際にクレジットカードを使えば、その分得ができます。

フリーランスは収入が不安定という理由からクレジットカードをを持たない人も少なくありませんが、還元率が1%ほどでも、支払額が大きくなればポイントもかなりの額になるでしょう。

したがって、フリーランスの場合、独立する前にクレジットカードを作成し、経費関連の支払いはクレジットカードで済ませましょう。

まとめ

フリーランスは差し引かれる保険料などが正社員より高額になる分、少しでも所得を低くして節税することが大切です。節税対策を地道にこなせば、大きな得になるでしょう。

節税対策は難しいと思っている方も多いでしょうが、これまで解説してきたように、ちょっとしたことの積み重ねなので意外と簡単です。この記事を読んだ今日からぜひ節税対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。