マークアップエンジニアとはどんな仕事?年収や将来性、おすすめ資格も紹介

インターネットの普及により、Webサイトを閲覧する機会が急速に高まっています。単に文章を掲載するだけでなく、見やすいデザインを考慮したり、どのデバイスでも閲覧できるようにしたりといったように、Webサイトの作り方も工夫が必要です。

工夫をこらしたWebサイトを作成するには、HTMLなどのマークアップ言語について理解し、活用できるようにしなければなりません。マークアップ言語を活用してWebサイトを作成する人は「マークアップエンジニア」と呼ばれ、Web開発でなくてはならない存在です。

今回は、マークアップエンジニアに興味がある人に向けて、どんな仕事をするのか、どんなスキルが必要なのかについて解説します。

マークアップエンジニアとは?

マークアップエンジニアは、「マークアップ言語の知識を持ち、それを活用して問題を解決する人たち」を示す言葉です。

マークアップエンジニアの意味

マークアップエンジニアという言葉は、文章の構造やレイアウトを表現することを意味する「Markup(マークアップ)」と、「技術者」や「技師」といった意味を持つ英単語「Engineer(エンジニア)」が元になっています。
マークアップとは、文章に対して「どのような構造なのか」や「どのようなレイアウトなのか」といった意味を持たせることです。

コンピューターが文章を解釈しようとした場合、どの部分が見出しでどの部分が本文なのか、どの部分を強調させたいかなどを判別するために用います。

マークアップを表現するための言語を「マークアップ言語」といい、HTMLやXMLなどさまざまな種類があります。

マークアップ言語は、あくまで文章構造を表現するための言語であり、プログラムを動かすための言語ではありません。そのため、マークアップ言語はプログラミング言語とは異なるため注意してください。

さまざまな種類があるマークアップ言語ですが、この場合はHTMLが適切です。つまり、マークアップエンジニアは「HTMLを利用して、Webサイトを作成する人たち」という意味になります。

ただし、マークアップ言語だけ取得しておけばマークアップエンジニアとして仕事をしていけるとは限りません。実際のWeb開発では、HTML以外にもCSSやJavaScriptなどの知識やそれらを基にしたフレームワークなどの知識が必要不可欠です。

マークアップエンジニアの仕事内容

マークアップエンジニアが行う主な仕事内容は、下記の3つです。

  1. HTMLを利用したWebページ制作
  2. CSSを利用したWebページの装飾
  3. JavaScriptを利用した動的処理の作成

それぞれ解説していきますね。

1.HTMLを利用したWebページ制作

マークアップエンジニアの1つ目の仕事は、HTMLを利用したWebページ制作です。HTMLは、「HyperText Markup Language」の頭文字をとったもので、マークアップ言語の一つ。

コンピューターやネットワーク上にある文章を結びつけるために用いられます。さまざまなWebページを行き来できるのは、HTMLがあってこそです。HTMLは不等号の記号を使った「タグ」を用いて文章に構造的な意味を付与します。

タグは、見出しを意味するタグやリンクを意味するタグなどさまざまなタグが存在します。マークアップエンジニアは、タグの意味を理解し、適切な箇所にタグを設置し、マークアップすることが必要です。

2.CSSを利用したWebページの装飾

マークアップエンジニアの2つ目の仕事は、CSSを利用したWebページの装飾です。CSSは「Cascade Stylesheet」の頭文字をとったもので、Webページの見た目に関わる部分を表現するスタイルシート言語の一つ。

Webサイトを作成するには、必要な情報を掲載するだけでなく、「どのような見た目で掲載するか」も考えなければなりません。これを表現するための言語がスタイルシート言語で、現在ではCSSが広く利用されています。

HTMLにおいても、文字の色を指定することは可能でしたが、現在ではHTMLでWebページの「見た目」を表現することは推奨されていません。

つまり、Webサイトを作成する際、見出しやリンクといった構造的な意味を付与するにはマークアップ言語、見た目を表現するにはスタイルシート言語をそれぞれ使い分けるのが原則となっています。構造と見た目を分離してWebサイトを作成することで、後でメンテナンスをするときに作業が楽になるからです。

そのため、マークアップエンジニアはスタイルシート言語、とりわけCSSについて理解して、Webページの見た目部分の作成も行わなければなりません。

3.JavaScriptを利用した動的処理

マークアップエンジニアの3つ目の仕事は、JavaScriptを利用した動的処理です。

JavaScriptを利用すれば、Webサイトにアニメーションのような効果を付与したり、Webサービスが提供している機能(API)を利用したりすることができます。JavaScriptはプログラミング言語の一種であり、マークアップ言語とは別物です。

しかし、ほとんどのWebサイトでは必ずと言っていいほどJavaScriptが利用されているため、マークアップエンジニアであろうと、知識を身につけておく必要があります。

マークアップエンジニアの平均年収

年齢年収
20代250万円〜350万円
30代350万円〜500万円
40代600万円〜650万円

マークアップエンジニア(フロントエンドエンジニア)の年収は、20代で250万~350万、30代では350万~500万、40代では600万~650万程度です。ただし、スキルの程度によっては、年収1,000万をもらうこともできます。

※平均年収のデータは、 マイナビエージェント求人ボックス の情報を基にしています。

マークアップエンジニアに必要な3つのスキル

マークアップエンジニアに必要なスキルは、主に下記の3つです。

  1. Webサイトの制作スキル
  2. ライブラリ・フレームワークを扱う技術力
  3. コミュニケーションスキル

それぞれ解説していきますね。

1.Webサイトの制作スキル

マークアップエンジニアの必須スキルの1つ目は、Webサイト作成に関わる複数の言語知識です。Webサイト作成においては、HTML・CSS・JavaScriptの3つが特に利用されています。

マークアップエンジニアといえど、HTMLのようなマークアップ言語だけでなく、CSSやJavaScriptを理解しておけば、仕事がなくなる心配はありません。

2.ライブラリ・フレームワークを扱う技術力

マークアップエンジニアの必須スキルの2つ目は、ライブラリ・フレームワークの知識です。

「ライブラリ」は、汎用性のあるプログラムをさまざまな箇所で使い回せるようにまとめたもの、「フレームワーク」は、簡単に言えば「プログラムのひな形」を意味します。両者は細かい点で違いがありますが、ここでは両者の共通点について説明します。

ライブラリとフレームワークの共通点は「Webサイト作成を効率よく進めるための手段」であることです。

短期間でWebサイトが作成できるだけでなく、メンテナンスも楽にできるため、今日のWebサイト作成では、ライブラリとフレームワークを利用するのが一般的となっています。特に有名なライブラリ・フレームワークは、以下の通りです。

  • Bootstrap:CSSフレームワーク。レスポンシブデザインを容易に実現可能。
  • jQuery:JavaScriptライブラリ。従来のJavaScriptの処理を容易に記述できるようにした。

スキル③|コミュニケーションスキル

マークアップエンジニアの必須スキルの3つ目は、コミュニケーションスキルです。マークアップエンジニアは、Webデザイナーが考えたWebデザイン案に従ってWebサイトを作成していきます。

その過程で生じた疑問点・改善点を共有するために、Webデザイナーとのコミュニケーションが欠かせません。さらに、大規模なWebサイトを作成する場合は、複数のマークアップエンジニアと情報共有しながら仕事を分担する必要があります。

仕事を円滑に進行させるためにも、周囲の人とコミュニケーションをとることを怠ってはいけません。

マークアップエンジニアの資格おすすめ3選

マークアップエンジニアは、資格を取得していなくてもなれる職業です。しかし、Web開発に関する資格を受験すれば、勉強した知識を仕事で活用できます。ここでは、おすすめの資格を3つ紹介します。

おすすめ資格①:Webクリエイター能力検定試験

1つ目のおすすめ資格は、Webクリエイター能力検定試験。WWW(World Wide Web)を支える技術であるHTMLとCSSについて、利活用できる人が対象の資格です。試験区分は「スタンダード」と「エキスパート」の2種類。

「スタンダード」では、HTMLについて理解していることに加えて、HTMLで記述されたWebページの構造を崩さず、CSSを利用しながらレイアウトを記述できるかが問われます。「構造と見た目の分離」という、Webサイト作成の原則を理解できているかが、試験を解くポイントです。

一方「エキスパート」では、「構造と見た目の分離」の原則はもちろんのこと、マルチデバイス対応・ユーザビリティなど、実際のWebサイトに求められる要素について問われます。

「スタンダード」よりも難易度は高めですが、より実践的な技術力が身につくため、受験して損をすることはありません。

試験内容は、配布されたHTML・CSSファイルなどを編集して、問題の指示通りにWebサイトを構築する実技形式の問題です。「エキスパート」では実技問題に加えて、4択の知識問題を解いてきます。

おすすめ資格②:HTML5プロフェッショナル認定試験

2つ目のおすすめ資格は、HTML5プロフェッショナル認定試験。2021年時点で最新の仕様である、HTML5とCSS3、さらにJavaScriptの知識を有し、活用できる人が対象です。試験区分は「Level.1」と「Level.2」の2種類。

「Level.1」では、HTML5・CSS3の知識を活用してマルチデバイス対応のWebサイトを構築できるかが問われます。デバイスごとに表示方法は異なるため、各デバイスの表示の違いを把握できているかが、合格のカギです。

そのほかにも、HTTPなどのプロトコルや動画・音声などのメディアの知識など、Webに関わる技術が幅広く問われるため、念入りな勉強が欠かせません。

一方「Level.2」では、Level.1であまり出題されないJavaScriptが多く出題され、動的なWebサイトを作成できるかが問われます。ただ動作するWebサイトを構築するのではなく、セキュリティを考慮して構築できているかも、重要なポイントです。

試験内容は、そのほとんどがパソコンを使った選択形式の問題で、少なからずキーボードで入力するタイプの問題も出題されます。HTML5・CSS3などに初めて触れる人は、試験対策のためのオンラインセミナーが無料で開催されているので、利用するのも一つの手です。

おすすめ資格③:基本情報技術者

3つ目のおすすめ資格は、基本情報技術者です。IT技術に関する国家資格の一つで、IT技術の基本知識を有して実践利用できる人が対象です。

Webクリエイター能力検定試験やHTML5プロフェッショナル認定試験とは違い、Webに限らずIT技術に関する分野から幅広く問題が出題されます。

基本情報技術者を勉強すれば、IT技術に関する基礎知識を横断的に身につけられるため、マークアップエンジニアであろうと受験しておいて損はありません。

試験は午前と午後に分かれており、午前試験では選択問題、午後試験では選択問題と記述問題の混合問題を解いていきます。出題範囲が広いですが、過去に出された問題がそのまま出題されることもあるため、ある程度は過去問を解くことでカバー可能です。

マークアップエンジニアの将来キャリアパス

マークアップエンジニアのキャリアパスのなかでも、特に一般的なものは「Webデザイナー」と「Webディレクター」がです。

Webデザイナー

1つ目のキャリアパスは、Webデザイナーです。その名の通り、Webサイトのデザインを考える職種で、クライアントの要望に沿ったデザインを提案します。

マークアップエンジニアと同じく、HTMLなどの言語知識を必要としますが、それ以外にもWebデザイナーになるには、いくつかの知識が必要です。例えば、UI・UXを意識したデザインの知識が挙げられます。

UI(User Interface)はユーザーとデバイスの「接点」を意味しており、Web開発においては画面上に表示されているWebサイトそのものです。Webデザイナーは、さまざまなユーザーに対して使いやすいレイアウトを構築するためのデザイン力(UIデザイン)が求められます。

一方、UX(User eXperience)はユーザーの「経験」を意味し、Webサイトの利用を通して「ユーザーがどのように感じたか」に注目するのがポイント。

Webデザイナーは、単にWebサイトを作るのではなく、Webサイトの利用を通してユーザーが感じることを基にして、レイアウトを構築するためのデザイン力(UXデザイン)も求められます。

ほかにもWebデザイナーは、PhotoshopやIllustratorなどの画像編集・加工ソフトを頻繁に用いるため、これらソフトウェアが使いこなせることが前提です。

Webディレクター

2つ目のキャリアパスは、Webディレクターです。ディレクターは「監督」「指導者」といった意味を持ち、Webサイト制作の陣頭指揮をとるのが主な仕事。

マークアップエンジニアやWebデザイナー、そのほかWebサイト制作に関わるメンバーの管理や予算・品質の管理などを行います。マークアップエンジニアと同様に、Web開発の知識が求められることはもちろん、ディレクター特有のスキルも必要です。

例えば、広告媒体としてのWebサイトを制作する場合は、より多くのユーザーを集客するため、マーケティングの知識が求められます。

また、クライアントの要望を正確に聞き出して最適なものを提案するため、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルも必要です。

まとめ

マークアップエンジニアは、WEBサイトを制作する上で重要な役割を担います。

マークアップエンジニアを目指して、エンジニアとしての一歩を踏み出してみてください。