ネットワークエンジニアとは?仕事内容から平均年収、必要スキルや将来性まで紹介

複数あるコンピューターをつなぎ合わせてコンピューターネットワークを構築し、運用する人は「ネットワークエンジニア」が行う仕事です。

今回は、ネットワークエンジニアがどんな仕事をするのか、何のスキルが必要なのかなど、ネットワークエンジニアに関する情報を解説します。

会社や学校にあるコンピューターは、相互で接続しあってネットワークを構成しているのが一般的です。 コンピューターネットワークが構成されていることで、1つのデータを複数のコンピューターで共有でき、作業の効率化につながります。

複数あるコンピューターをつなぎ合わせてコンピューターネットワークを構築し、運用する人は「ネットワークエンジニア」が行う仕事です。 IT人材の不足が問題となっている中、社会のインフラでもあるネットワークの保守に携わるネットワークエンジニアの需要は高く、興味がある人もいることでしょう。

今回は、ネットワークエンジニアがどんな仕事をするのか、何のスキルが必要なのかなど、ネットワークエンジニアに関する情報を解説します。

ネットワークエンジニアとは?

ネットワークエンジニアとは、「ネットワークに関する知識を駆使して、実際に複数のコンピューターをつなぎ合わせてネットワークを構築する技術者」を指す言葉です。

ネットワークエンジニアの意味

ネットワークエンジニアの「ネットワーク」は、「網状の」という意味を持つ英単語「net(ネット)」と、「作業」や「制作物」などを意味する英単語「work」が合わさり、「通信網」などを意味します。

道路や鉄道がクモの巣のように通じていることを意味する「交通網」や他の人・組織と連絡するための「連絡網」もネットワークの一種です。

中でもコンピューターを相互に接続して構成したネットワークは「コンピューターネットワーク」と言います。 冒頭で述べたように、会社や学校に設置されているコンピューターは、相互に情報を共有できるようにネットワークを構成しています。

実際にコンピューターネットワークを構築するには、コンピューターが何台必要なのか、どのくらいの通信速度が必要なのか、さまざまなことを考えなければなりません。 そのためには、専門的な知識が必要不可欠です。

つまり、ネットワークエンジニアは、「コンピューターネットワーク構築のために必要な知識を持ち、適切にコンピューターネットワークを構築できる技術者」を意味します。

ちなみに、ネットワークと似た言葉に「インターネット(Internet)」がありますが、インターネットは複数のコンピューターネットワークを相互に接続して構成された、地球規模に及ぶネットワークです。

ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアが取り組む主な仕事は、下記の4つです。

  1. ネットワークに関する要件定義
  2. ネットワークの設計
  3. 設計したネットワークの構築
  4. 構築したネットワークの運用

それぞれ解説していきますね。

1.ネットワークに関する要件定義

ネットワークエンジニアの1つ目の仕事内容は、ネットワークに関する要件定義です。システムエンジニアとともに、クライアントが必要とする情報システムについてヒアリング・整理し要件定義書に必要な要件をまとめていきます。

ネットワークエンジニアは特に、複数のコンピューターを利用する場合にどのようなネットワークを構築すべきかという点に注目しているのがポイントです。

ただし、会社によってはシステムエンジニアがネットワークに関わる要件定義を行う場合もあり、明確な役割分担があるとは限りません。

2.ネットワークの設計

ネットワークエンジニアの2つ目の仕事内容は、ネットワークの設計です。
要件定義の工程で決めた要件に従い、どのようなコンピューターネットワークを構築するかを具体的に検討します。

コンピューターやネットワーク機器がいくつ必要なのか、コストはどの程度かかるのかなど、さまざまな視点で検討することが重要です。 ほかにも、外部からのサイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策も怠ってはいけません。

3.設計したネットワークの構築

ネットワークエンジニアの3つ目の仕事内容は、ネットワークの構築です。
ネットワークの設計が完了したら、実際にネットワーク機器を調達してコンピューターを接続し、ネットワークが正常に動作するかをテストします。

配線ミスをなくすことはもちろんのこと、通信速度や安定性などパフォーマンスが要件を満たしているかも確認しなければなりません。

特にセキュリティに関しては、念入りにテストをして安全なネットワークであることを証明することが重要です。

4.構築したネットワークの運用

ネットワークエンジニアの4つ目の仕事内容は、ネットワークの運用です。
クライアントに導入した後も、ネットワークの動作に問題がないか監視し、トラブルが発生した場合は原因究明と対処にあたります。

本番で発生したトラブルは、長引くと業務に影響が出るため、速やかにトラブルを解決するのが重要です。また、クライアントから追加の要望が出ることもあるため、その都度ネットワークを改修します。

改修する際は、既存のネットワークに影響の出ないように設計・構築することが重要です。

ネットワークエンジニアの平均年収

年齢年収
20代350万円〜400万円
30代500万円〜600万円
40代650万円

ネットワークエンジニアの年収は、20代で350万から400万、30代で500万から600万、40代で650万程度です。 これはあくまで平均的な数字で、実際にはスキルの程度や実務経験の量によって、1,000万以上をもらうこともできます。

ネットワークエンジニアに必要な4つのスキル

ネットワークエンジニアに必要となる主なスキル・能力は、下記の4つです。

  1. ネットワークの構築スキル
  2. ハードウェアを扱う技術スキル
  3. セキュリティを扱う技術スキル
  4. クラウドを扱う技術スキル

それぞれ解説していきますね。

1.ネットワークの構築スキル

ネットワークエンジニアに必要なスキル、1つ目はネットワークの構築スキルです。ネットワークの世界では、複数のコンピューターと通信し合うためにさまざまなルールを定めています。

これを「プロトコル」と言い、コンピューターネットワークを構築するにはプロトコルを遵守しなければなりません。

ネットワークエンジニアは、ネットワークに関するプロトコルを理解して、適切にコンピューターネットワークを構築することが求められます。

2.ハードウェアを扱う技術スキル

ネットワークエンジニアに必要なスキル、2つ目はハードウェアを扱う技術スキルです。

ハードウェアについて理解すれば、クライアントの要望に最適なコンピューターやネットワーク機器を選定でき、十分なパフォーマンスの出るコンピューターネットワークを構築できます。

3.セキュリティを扱う技術スキル

ネットワークエンジニアに必要なスキル、3つ目はセキュリティを扱う技術スキルです。構築するコンピューターネットワークをインターネットに接続する際には、外部からの不正なアクセスを遮断できる仕組みを設けなければなりません。

また、ネットワーク内においても、特定の人にしかデータを見せられないようにアクセス制限を設けて制御することも重要です。

セキュリティを意識したコンピューターネットワークを構築することは、機密情報の流出を防ぎ、ひいては会社の信頼にもつながります。 サイバー攻撃が巧妙になりつつある昨今、企業の機密情報を守ることは、ネットワークエンジニアに課せられた最重要使命なのです。

4.クラウドを扱う技術スキル

ネットワークエンジニアに必要なスキル、4つ目はクラウドを扱う技術スキルです。

経済産業省が発表している情報通信白書(令和2年度)によれば、全体の約6割がクラウドサービスを導入していることがわかりました。

今までクライアントがシステムを保有・保守していた(オンプレミス)のに対し、クラウドサービスを利用すればわざわざ自身で保有・保守する必要がなくなるため、大きなメリットです。

ネットワークエンジニアのこれまでの仕事は、オンプレミスなネットワークを構築するのが主だったため、今後はクラウドに関する知識がなければ仕事がなくなる可能性があります。

ネットワークエンジニアの資格おすすめ4選

ネットワークエンジニアになるために特別な資格は必要ありません。 しかし、ネットワーク関連の資格を持っていれば、知識・技術力があることをアピールでき、会社から良い評価を受けられます。

ここでは、数ある資格の中からおすすめの資格を4つ紹介しましょう。

おすすめ資格①:基本情報技術者

ネットワークエンジニアにおすすめの資格、1つ目は基本情報技術者です。
IT技術に関する基本的な知識を持ち、それを活用できる技術者が対象となります。

IT技術に関する国家資格としては特に有名で、ネットワークエンジニアに限らずシステムエンジニアなどのエンジニア職になりたての人が最初に受験することが多いです。

出題範囲はIT技術全般であるため、ネットワークエンジニアに関わりの薄い分野が含まれている場合があります。しかし、ネットワークエンジニアはデータベースやハードウェアなど、あらゆるIT技術と関わる要素のため、勉強しておくのが吉です。

おすすめ資格②:ネットワークスペシャリスト

ネットワークエンジニアにおすすめの資格、2つ目はネットワークスペシャリストです。

基本情報技術者と同様にIT技術に関する国家資格の1つで、IT技術の中でもとりわけネットワーク関連について高度な専門知識を持ち、実践で応用できる人が対象となります。 試験の合格率は約14%(令和元年度)で難易度が高いのが特徴です。

午後に行われる試験では、設問を解くために大量の文章と図表を読み解く必要があります。 制限時間もあるためスピーディーに解くことがポイントです。

試験対策をする際は、本番と同じ制限時間で過去問を解くことで時間感覚をつかみましょう。

おすすめ資格③:シスコ技術者認定

ネットワークエンジニアにおすすめの資格、3つ目はシスコ技術者認定です。

ネットワーク機器を開発しているシスコシステムズの開発製品に関する認定資格で、同社製品の知識を持ち、適切に扱える人が認定対象となります。

シスコシステムズが開発したネットワーク機器は、企業向けの市場で全体の半分近くのシェアを獲得しているため、ネットワークエンジニアとしてぜひとも取得したい資格です。

難易度に応じて5つのグレードが用意されています。 その中でも受験者数が一番多いのはCCNA(アソシエイト)と呼ばれるグレードです。また、試験は9つの分野が用意されており、その中から1つを選んで受験します。

シスコ技術者認定は期限が設けられており、合格から3年で失効することに注意してください。 再度認定を受けるには3年以内に同じグレード、またはさらに上のグレードを受験する必要があります。

おすすめ資格④:情報処理安全確保支援士

ネットワークエンジニアにおすすめの資格、4つ目は情報処理安全確保支援士です。

2016年に新設された国家資格で、情報セキュリティの知識を持ち、情報システムなどの安全について分析・評価できる人が対象となります。 ネットワークの構築においてもセキュリティ対策は欠かせない要素となるため、受験する価値ありです。

ネットワークエンジニアの将来キャリアパス

ネットワークスペシャリストのキャリアパスは、「プロジェクトマネージャー」か「スペシャリスト」の2つが定番です。

ほかには、セキュリティの知識を生かせる「セキュリティエンジニア」や、今後需要の拡大が予想される「クラウドエンジニア」も選択肢としてあげられます。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャーは、ネットワークを含めた情報システムの開発について、スケジュール・タスクの管理などを行い、プロジェクトの指揮を取るのが主な仕事です。

ネットワークエンジニアとして開発プロジェクトに参画したときの経験を生かして、どんな作業が発生するのかを考えながら、クライアントとスケジュール調整をします。

プロジェクトマネージャーは、クライアントやプロジェクトのメンバーとのコミュニケーションが欠かせません。

スペシャリスト

スペシャリストは、ネットワークに関する知識・技術力について極めて、技術的な問題に対して支援を行うのが主な仕事です。

ネットワークエンジニア以上に、高度な知識を持つことが求められるため、日々の勉強が欠かせません。

セキュリティエンジニア

ネットワークエンジニアでは、セキュリティに関する知識も必要となることから、セキュリティエンジニアに転職するのも1つの道です。

セキュリティの知識を駆使して安全な情報システムを構築するための設計・構築・評価・運用を行います。 セキュリティエンジニアもスペシャリストと同様、日々の勉強が欠かせません。

クラウドエンジニア

クラウドエンジニアは、クラウド製品を利用して情報システムを構築・運用するのが主な仕事です。

今後、オンプレミスな情報システムに代わってクラウド製品を利用したものが幅を利かせる可能性が高く、需要が高まっています。

ネットワークエンジニアと仕事内容が異なってくるものの、ネットワークやセキュリティに関する知識を生かせるので、興味がある人はクラウドに関する動向に注目しておきましょう。

まとめ

ネットワークエンジニアは、幅広い知識とスキルが要求される仕事です。 業界でも人数はそこまでおらず、人員は不足している傾向にあります。

ネットワークエンジニアは、市場でも非常に需要が高い職種になるので、ネットワークエンジニアを目指して見てはいかがでしょうか。