カスタマーエンジニアとはどんな仕事?年収から将来性、就職・転職の仕方も紹介

「カスタマーエンジニアって何するの?」
「システムエンジニアと何が違うの?」
「なるには何から始めればいいの?」

と悩んでいませんか?

カスタマーエンジニアと聞いても、具体的にどんな仕事をする職業なのかイメージが湧きませんよね。

しかし、電車の改札機や会社・コンビニにあるコピー機を点検しているのが、このカスタマーエンジニアなんです。

改札機やコピー機といった便利なサービスを日々当たり前のように利用できているのは、カスタマーエンジニアいるからこそ。

とはいえ、「カスタマーエンジニアについて詳しく知りたい!」と感じている方も多いはず。

そこで今回は、日常生活の立役者カスタマーエンジニアの仕事内容から将来性、なるために必要なスキルや就職・転職のロードマップまで詳しくご紹介します

この記事を読めば、カスタマーエンジニアへの理解はもちろん、あなたが目指すべき最適な職業なのかも決められるようになりますよ。

カスタマーエンジニアとは?

カスタマーエンジニアとは、改札機・コピー機といったハードウェアの設置やその内部にあるシステム(ソフトウェア)の運用・保守を担当する技術者です。

そもそも、各エンジニアが担当する仕事はシステム開発の工程によってわけられています(上画像)。

システムエンジニアやネットワークエンジニアが開発したシステムを現場へ設置し、実際に稼働するまでの点検作業を担うのが、カスタマーエンジニアというわけです。

また、稼働したシステムの定期的なメンテナンスはもちろん、システムに不具合やトラブルが生じた際もカスタマーエンジニア対処・解決にあたります。

いわばカスタマーエンジニアは現場監督。利用者に近い立場でシステムの保守・点検を行う欠かせない存在です。

カスタマーエンジニアの仕事内容

カスタマーエンジニアの主な仕事内容は下記の3つです。

  • システム機器の設置
  • システムの導入支援
  • システムの保守・点検

冒頭で挙げた例も踏まえ、それぞれ詳しく解説していきますね。

システム機器の設置

システム機器の設置は、カスタマーエンジニアが担当する仕事の1つです。具体的には、カスタマーエンジニアは次の流れでシステム機器の設置を行います。

  1. システムエンジニアが開発した製品システムを所定の場所へ設置
  2. システムが正常に稼働するか動作確認を行う
  3. 依頼主に製品を引き渡す

また、空調設備の手配や電源増設の相談など、設置する前に工事の必要が出てくるケースもあります。

そのため、カスタマーエンジニアには電気工事が行える知見とスキルが求められるのです。

システムの導入支援

カスタマーエンジニアは、依頼主に対してシステムの導入支援も行います。

導入支援とは、設置するシステムの設定や操作方法を依頼主へ説明する仕事です。

依頼主の多くは、カスタマーエンジニアほどシステムに対して専門的な知識を持ち合わせていませんからね。

そのため、カスタマーエンジニアがいなくても依頼主が製品システムを安全かつ円滑に使えるよう、ナビゲートするわけです。

カスタマーエンジニアの仕事には、依頼主へのわかりやすい説明と丁寧な対応も必要になりますね。

システムの保守・点検

上記でも解説しましたが、システムの保守・点検はカスタマーエンジニアが担う重要な仕事です。

依頼主へ納品する製品システムは、一般的な家電と違い、機能を維持するために定期的な保守が必要になります

そのため、カスタマーエンジニアは製品システムを納品した後も、月に1度はシステムの点検を行うわけです。

もちろん、システムにトラブルが発生した際はすぐに現場へ急行します。

ちなみに、企業のデータセンターへ導入する製品システムを納品した場合は、24時間の保守・点検が必要です。

その際、カスタマーエンジニアは三交代勤務で設置場所に常駐し、製品システムの監視を行います。

カスタマーエンジニアの保守・点検なくして正常なシステム稼働は難しいとも言えますね。

カスタマーエンジニアの平均年収

「カスタマーエンジニアの年収ってどれくらいなの?」

と気になっている方もいますよね。

下に、カスタマーエンジニアの平均年収をシステムエンジニア、会社員全体の年収とも比較できるようまとめました。

平均年収
カスタマーエンジニア 約489万円
システムエンジニア 約551万円
会社員の平均年収 約436万円

出典元:ITスキル研究フォーラム「IT技術者向けスキル診断 2016年度調査レポート」「平成29年 賃金構造基本統計調査」厚生労働省国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査」

上の表から、カスタマーエンジニアの平均年収は、会社員全体の平均年収よりも高い傾向にありますね。

一方、システム開発の上流を担当するシステムエンジニアよりは低い年収に位置します。

これは、システム開発においてどの工程を担当するかでエンジニアの平均年収が異なるためです。

とはいえ、カスタマーエンジニアの中でも、コンサルタントやマネジメントといった管理の仕事を担う人は平均以上の年収を獲得していますよ。

カスタマーエンジニアに必要なスキル

上記で解説したカスタマーエンジニアの仕事を卒なく行うためには、次3つのスキルが必要です。

  • コミュニケーションスキル
  • 故障診断(トラブルシューティング)スキル
  • 自走力

カスタマーエンジニアの仕事内容を頭に思い浮かべながら読んでいただくと、必要なスキルのイメージが湧きやすくなりますよ。

ではそれぞれ解説していきます。

コミュニケーションスキル

依頼主と多くのやり取りを行うカスタマーエンジニアにとって、コミュニケーションスキルは必要不可欠な能力です。

一見、エンジニアは機械とにらめっこするのが仕事、人と関わる機会は少ないイメージがありますよね。

しかし、カスタマーエンジニアの仕事では、機械に向き合うのと同じくらい人とも多く関わります。

上記でも解説した通り、システム機器の設置から導入支援、保守・点検にいたる仕事は、依頼主とコミュニケーションを取りながらでないと進められませんからね。

そのため、カスタマーエンジニアには依頼主の相談に乗り解決策を提示するなど、依頼主と良好な信頼関係が築けるコミュニケーションスキルが求められます

また、信頼を構築する上では依頼主へ状況をこまめに報告・連絡・相談できるまめさも大切になりますよ。

故障診断(トラブルシューティング)スキル

故障診断(トラブルシューティング)スキルは、稼働中のシステム製品に不具合やトラブルが発生した際に必要となる能力です。

システムの保守・点検は、カスタマーエンジニアが担う大切な仕事の1つですからね。

そのため、カスタマーエンジニアには現状から発生した不具合やトラブルの原因を特定し、復旧を図るスキルが求められます

特に、「何が原因か?」を特定できる能力は、コンサルタントやマネジメントといった上流の仕事にも欠かせないスキルです。

カスタマーエンジニアとしてのキャリアを見据える意味でも、鍛えておくと良いですね。

自走力

自走力は、これまで解説したコミュニケーションスキル、故障診断(トラブルシューティング)スキルの根幹を成す重要な能力です。

自走力とは、字の通り「自身の動力で走れる力」を指します。積極性や主体性、と言い換えても良いですね。

上司からの指示を待つ、といった受け身の姿勢では、依頼主との良好な関係作りやトラブルの早期解決は図りづらくなります。

そのため、現場監督の役割を果たすカスタマーエンジニアにとって、自身で考え素早く行動に出る自走力は欠かせないスキルといえるのです。

カスタマーエンジニアに資格は必要?

結論、カスタマーエンジニアになる上で取得しなくてはならない必須資格はありません

通常業務であれば、カスタマーエンジニアが行う仕事に必要な資格はないからです。

しかし、ハードウェアの電源や通信に関する保守・点検を行うには、次いずれかの資格が必要になります。

  • 電気工事士
  • 認定電気工事従事者
  • 工事担当者

電気工事に関する業務は上記の資格を持つ人が従事するよう、法律で定められているからです。

今後のキャリアやカスタマーエンジニアとして遂行できる仕事の幅を広げる意味でも、資格は取得しておいて損はないですよ。

カスタマーエンジニアとその他のエンジニアの違い

「エンジニアの職種ってたくさんあるみたいだけど、違いがよくわからない…」

システムエンジニアやバックエンドエンジニア・インフラエンジニアなど、エンジニアは職種ごとに名称がわかれているものの、一見するとややこしいですよね。

しかし、上記でも解説した通り、エンジニアの職種は担当する仕事によって名称がわけられています。

つまり、職種ごとの仕事内容が理解できれば、自然と区別ができるようになるわけです。

前置きが長くなりましたが、下記からはカスタマーエンジニアとの違いに焦点を当てながら、ほかのエンジニアの仕事内容を紹介していきますね。

カスタマーエンジニアとシステムエンジニアの違い

カスタマーエンジニアとシステムエンジニアの違いは、システムの設置・運用・保守を担当するか、設計・開発を担当するかです。

前者はカスタマーエンジニア、後者をシステムエンジニアが担当します。

製品システムの開発から運用にいたるまでの工程は地続きなため、システムエンジニアが開発した製品システムの運用・保守をカスタマーエンジニアが行う形になりますね。

システムの運用・保守担当がカスタマーエンジニア、開発担当がシステムエンジニアと覚えておくと、わかりやすいですよ。

カスタマーエンジニアとバックエンドエンジニアの違い

カスタマーエンジニアとバックエンドエンジニアの違いは、システムの設置・運用・保守を担当するか、Webシステムの設計・開発を担当するかです。

前述した通り仕事内容が異なるのですが、仕事内容がこのように解説すると、「システムエンジニアとバックエンドエンジニアって何が違うの?」と疑問を感じる人もいますよね。

そもそも、バックエンドエンジニアはWebシステムの開発に特化したエンジニア(Webエンジニア)の中でも、利用者の目に見えないサーバーやデータベースの処理を行うエンジニアを指す言葉です。

そのため、システムエンジニアとバックエンドエンジニアでは、担当するシステムの開発領域(広さ)が異なります。

種類に関わらずシステム全般の開発を行うシステムエンジニアの中に、バックエンドエンジニアが含まれると捉えるとわかりやすいですね。

ちなみに、Webシステムの開発に特化したWebエンジニアの中でも、どの位置を開発するかによってフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアにわかれますよ。

下の記事では、システムエンジニアについて詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。

システムエンジニアとはどんな仕事?年収や資格、将来キャリアパスも紹介

カスタマーエンジニアとマークアップエンジニアの違い

カスタマーエンジニアとマークアップエンジニアの違いは、システムの設置・運用・保守を担当するか、Webサイトの制作を担当するかです。

ちなみに、マークアップエンジニアは依頼主の目的を実現するWebサイトを制作するエンジニアのこと。

依頼主に近い立場のエンジニアという共通点はあるものの、カスタマーエンジニアとマークアップエンジニアでは担当する仕事内容が大きく異なりますね。

次の記事では、マークアップエンジニアについて詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。

【完全ガイド】マークアップエンジニアとは?【完全ガイド】マークアップエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性、必要なスキルも紹介

カスタマーエンジニアとインフラエンジニアの違い

カスタマーエンジニアとインフラエンジニアの違いは、システムの設置・運用・保守を担当するか、サーバーやネットワークの設計・構築・運用を担当するかです。

ちなみに、インフラエンジニアはサーバーやネットワークなどを設計・構築・運用するエンジニアのこと。利用者が目せず触らない部分の設計や構築を担当する意味で、カスタマーエンジニアとは役割が大きく異なります。

また、システムの開発を担当するシステムエンジニアとも、利用者が触れる部分を開発しているかどうかという点で区別されますね。

先に述べたように、担当する仕事内容でわけると混乱せず覚えられますよ。

下の記事では、インフラエンジニアについて詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。

【完全ガイド】インフラエンジニアとは?【完全ガイド】インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、将来性、必要なスキルも紹介

カスタマーエンジニアの労働環境

そろそろ、

「実際にカスタマーエンジニアとして働いている人の声が聞きたい!」

とカスタマーエンジニアの実態が気になっている人は多いはず。

カスタマーエンジニアを目指すなら、働いている人の感想や意見は事前に聞いておきたいですよね。

そこで下記からは、カスタマーエンジニアとして働く人の口コミを紹介しながら、その実態に迫っていきます。

カスタマーエンジニアってきついの?

上記の口コミから、カスタマーエンジニアには不眠不休で働かなくてはならない時もあるようです。

もちろん、務めている会社の規模や人員、自身の作業速度によってカスタマーエンジニアの忙しさは異なります。

しかし、依頼内容や納期次第では寝る間も惜しんで製品システムの設置をしなくてはなりません。自身のスキルや所属する会社の体力が物をいいますね。

フロントエンドエンジニアのやりがいは?

自身の仕事振りや成果がカスタマーエンジニアとしてのやりがいに深く関係するようです。

いわばカスタマーエンジニアは、製品システムを支える縁の下の力持ち。

利用者に製品システムを違和感なく快適に利用してもらえるのも、カスタマーエンジニアの大きなやりがいになりますね。

カスタマーエンジニアの今後や将来性、需要は?

結論、カスタマーエンジニアの需要は現在、そして今後も増加する可能性が高いです。

出典元:IT人材白書2020 独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター

上の画像から、2021年現在でITに関する教養や専門スキルのある人材(IT人材)は、約31万人も不足しているのが現状です。

また、この人材不足は今後も加速し、2030年には約45万人に上ると予測が出ています。

そのため、製品システムの設置や導入支援、保守・点検といった専門スキルを持つカスタマーエンジニアの需要は今後も増加していくと言えるわけです。

もちろん、AIを活用した業務の自動化が進み、カスタマーエンジニアの需要が下がるといった異論もあります。

しかし、依頼主と良好な信頼関係を築いてこそ成り立つカスタマーエンジニアの仕事は、今後も人が行うべき仕事となる可能性が高いといえますね。

カスタマーエンジニアへ就職・転職するためのロードマップ

いざカスタマーエンジニアへ就職・転職しようにも、道のりがわからなくては目指しようもないですよね。

また、カスタマーエンジニアになるなら、遠回りせずできれば最短で職に就きたいと望んでいる人は多いはず。

そんな方は、次のロードマップを参考にカスタマーエンジニアへの就職・転職を目指すと良いですよ。

上画像からもわかるように、カスタマーエンジニアへの就職・転職を目指すなら、コンピューターメーカーやシステムの保守またはアフターサービスを提供する会社を狙うのがおすすめです。

もちろん、未経験の人を積極的に雇う(ポテンシャル採用)企業もあります。

しかし、企業の多くはエンジニアの実務経験がない人へカスタマーエンジニアは任せません。依頼先でのカスタマーエンジニア業務はそれだけ難しいからです。

そのため、エンジニアとして実務経験を積んでからカスタマーエンジニアを目指すのが賢明ですよ。

独学でもカスタマーエンジニアへ就職・転職できるの?

独学のみでカスタマーエンジニアへ就職・転職できる可能性は高いとは言えません。

上記で解説した通り、カスタマーエンジニアになるには実務でしか培えない経験やスキルを習得する必要があります。

そのため、最低でもカスタマーエンジニアに必要な基礎知識や資格を独学で習得した後、就職・転職を目指すのがおすすめです。

未経験からでもカスタマーエンジニアへ就職・転職できるの?

カスタマーエンジニアへの就職・転職は、未経験からでも可能です。何かを始める、目指す時のスタートラインは誰もが未経験ですからね。

とはいえ、カスタマーエンジニアに関する知見やスキルが0の状態でいきなり就職・転職を目指しても、ポテンシャル採用を積極的に行う企業でない限りなれる可能性は低いです。

そのため、上記のロードマップを参考に、カスタマーエンジニアへの就職・転職を目指すと良いですね。

フリーランスのカスタマーエンジニアへ独立・転身できるの?

結論、カスタマーエンジニアがフリーランスとして独立するのは可能です。

上記で解説した通り、今の日本はIT人材が不足しているため、多くの企業がカスタマーエンジニアを必要としています。

とはいえ、会社に所属しないフリーランスのカスタマーエンジニアが理想の報酬や仕事を獲得できるかどうかは、自身のスキルや実績次第です。

また下の引用からもわかるように、仕事を依頼する企業へ証明できるスキルや実績があれば、フリーランスのカスタマーエンジニアとして十分に活躍できますよ。

フリーランスの場合、得られる報酬は、本人の能力に比例する。最新の技術を保有し、高い開発能力を持つなど、需要が高い人材には高い報酬が支払われることになる。

フリーランスの収入は、個々に契約した仕事に対して支払われる報酬で成り立っているため、年功序列による年齢や勤続年数の影響を受けない働き方と言える。

引用元:IT人材白書2016

まとめ

今回は、カスタマーエンジニアの仕事内容から将来性、なるために必要なスキルや就職・転職のロードマップについて紹介しました。

カスタマーエンジニアは、利用者に近い立場でシステムの保守・点検を行う、いわば縁の下の力持ちです。

また、依頼主との良好な信頼関係の構築から、緊急のトラブル対応など包括的かつ専門的なスキルが必要になる職種でもあります。

そのため、エンジニアとして下積みを経た上でカスタマーエンジニアを目指すと良いですよ。