フリーランスエンジニアの税金はどれくらい?計算方法や節税のコツも紹介

「フリーランスエンジニアが納める税金額ってどれくらいなんだろう?」
「会社員と比べると、フリーランスエンジニアの方が税金は高くなるのかな?」
「節税できるのかも気になる…」

フリーランスエンジニアにかかる税金がイメージできない人は多くいますよね。なかには会社員と比べ、どれくらい収める税金額が変わるのかを確認してからフリーランスに独立するか判断したい人もいるはず。

そこで今回は会社員と比較しつつ、フリーランスエンジニアが納める税金の額や種類を、年収別の計算方法も交えて紹介します。また、節税のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

フリーランスエンジニアの税金は会社員より高い

結論、フリーランスエンジニアが納める税金は、会社員よりも高くなります。独立すると税金の全額を自己負担しなければならないからです。

会社員であれば、納める税金の一部を会社が負担してくれます。たとえば、健康保険料。会社員は会社との折半で支払いますが、フリーランスエンジニアは全て自費で納付します。

そのため、健康保険料は単純に会社員の2倍支払うため「高いな…」と感じるのです。

しかし、フリーランスエンジニアには節税できる方法もあります。節税のコツは、後ほど紹介しますね。

フリーランスエンジニアが納める4つの税金

ここからは、会社員と比べつつフリーランスエンジニアが納める4つの税金を紹介します。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

所得税

フリーランスエンジニアが納める税金の1つに所得税があります。所得税とは、1年間の所得に対してかかる税金です。収入が増えるほど所得税も多く納めます。

所得税は年間所得の合計額に課税されるのではなく、収入から経費等を差し引いた金額に課税されます。

所得税の計算式は次の通りです。

  • 所得税=(年収-所得控除)×税率-控除額

所得控除とは、所得から一定の金額を差し引くことです。

(年収-所得控除)が『課税される所得金額』に該当し、次の表から税率や控除額を使って所得税を算出します。

出典:国税庁

所得税は確定申告を行い、納税します。確定申告の期間(翌年の2月16日~3月15日)までに支払わなければなりません。納付方法は、現金や口座振替、クレジットカードなどから選べますよ。

住民税

フリーランスエンジニアにも住民税の支払い義務があります。住民税とは、各地域に住む個人に課す税金です。

所得割と均等割の合計金額を納めます。所得割では年間の所得に対して課税され、均等割は、全ての住人に対して一定額の徴収です。

住民税は次の通り計算します。

  • 住民税=(年収-所得控除)×税率(10%)+均等割(0.5万円)
[住民税の税額]
所得に対して一律10%

引用:総務省

所得とは、収入から経費などを差し引いたものを指します。 また均等割は次の通りです。

[均等割]
通常5,000円(市町村民税3,500円、道府県民税1,500円)※と定められています。
※東日本大震災を踏まえ、地方団体が実施する防災費用を確保するため、2014(平成26)年度から2023(令和5)年度までの10年間、市町村民税・道府県民税ともに500円ずつ引き上げられています。

引用:総務省

住民税は、年4回(基本的に6月末、8月末、10月末、翌1月末)納めます。納付書は6月に届くので忘れずに支払いましょう。

個人事業税

フリーランスエンジニアは個人事業税も納める可能性があります。会社員では支払わない税金です。

個人事業税とは、事業で得た所得に応じて納める税金。事業主控除が290万円あるため、年間利益が290万円に達しなければ支払い義務はありません。

個人事業税の計算式は次の通りです。

  • 個人事業税=(年収-経費-290万円)×税率

個人事業税の税率は職業ごとに異なります。エンジニアは製造業や請負業、コンサルタント業として扱われるため税率は5%です。

出典:東京都主税局

フリーランスエンジニアの働き方には、システム等の納品を行って報酬を得る『請負契約』と稼働時間に対して対価を受け取る『準委任契約』があります。

どちらの契約でも個人事業税を支払う可能性は高いですが、準委任契約の場合は製造業や請負業、コンサルタント業と見なされないケースもありますよ。

準委任契約の仕事で個人事業税の納税通知書が届いたら、お住まいの都道府県税事務所に問い合わせてみましょう。

消費税

フリーランスエンジニアには、消費税も納税する可能性があります。消費税とは、商品やサービスの消費に対して負担する税金。

消費税の支払い義務がある人は次の通りです。

  • 2年前の売上高が1,000万円を超える
  • 2年前の売上高が1,000万円以下でも、1年前の1月1日~6月30日までの売上高が1,000万円を超える

消費税の計算式には、「本則課税方式」と「簡易課税方式」の2通りあります。通常は「本則課税方式」を利用します。

本則課税方式とは、『クライアントから受け取った消費税額』から『業務が完了するまでにかかった金額の消費税』を引く計算方法です。

  • 消費税(本則課税)=(受取の消費税)-(支払の消費税)

しかし、取引が多く消費税の計算が煩雑になる場合は、事前に届け出をだせば簡易課税方式を選べます。

ちなみに、簡易課税方式は「クライアントから受け取った消費税額」のみから算出する方法です。

  • 消費税(簡易課税)=(受取の消費税)-(受取の消費税×みなし仕入れ率)

みなし仕入率は業種によって異なり、エンジニアはサービス業にあたるので、みなし仕入率は50%です。
参考:国税庁

なお、次の記事ではフリーランスエンジニアが納めるべき税金を学べるおすすめ本を紹介しているので、よければ参考にしてください。
2021年最新!フリーランスの税金に関して学べるおすすめ本10選

【年収別】フリーランスエンジニアが納める税金額と計算方法

ここからは、次の年収別に会社員と比較しながらフリーランスエンジニアが納める税金額とその計算方法を紹介します。

  • 年収300万円の場合
  • 年収500万円の場合
  • 年収1000万円の場合

経費によって納税額は変動するため、各税金額は目安としてとらえてください。

年収300万円の場合

年収300万円のフリーランスエンジニアと会社員が納める税金は次の通りです。

年収300万円の場合フリーランスエンジニア
(青色申告特別控除を利用)
会社員
(扶養なし)
所得税約7万円約5万円
住民税約15万円約12万円
個人事業税0円
消費税0円0円
合計約22万円約18万円
各税金額は、所得控除(フリーランスエンジニア157万円/会社員189万円)、経費20万円を前提に算出しています。

各税金の計算方法は、以下の式に所得控除や税率を当てはめて算出します。

所得税の計算式『所得税=(年収-所得控除)×税率-控除額』

  • フリーランスエンジニアの所得税=(300-157)×5%=71,500円
  • 会社員の所得税=(300-189)×5%=55,500円
  • 住民税の計算式『住民税=(年収-所得控除)×税率(10%)+均等割(0.5万円)』

  • フリーランスエンジニアの住民税=(300-152)×10%+0.5=153,000円
  • 会社員の住民税=(300-184)×10%+0.5=121,00円円
  • 住民税の基礎控除は所得税よりも5万円低いため、それぞれ152万円と184万円で計算します。

    個人事業税の計算式『個人事業税=(年収-経費-290万円)×税率』

    年収300万円よりも経費と事業主控除(290万円)と合わせた金額が大きくなるため、個人事業税の支払いはありません。

    また、売上高が1,000万円以上ではないため、消費税の支払いも不要です。

    年収500万円の場合

    年収500万円のフリーランスエンジニアと会社員が納める税金は次の通りです。

    年収500万円の場合フリーランスエンジニア
    (青色申告特別控除を利用)
    会社員
    (扶養なし)
    所得税約23万円約14万円
    住民税33万円約25万円
    個人事業税約10万円
    消費税0円0円
    合計約65万円約39万円
    各税金額は、所得控除(フリーランスエンジニア175万円、会社員258万円)、経費20万円を前提に算出しています。

    各税金の計算方法を解説します。

    所得税の計算式『所得税=(年収-所得控除)×税率-控除額』

  • フリーランスエンジニアの所得税=(500-175)×10%-9.75=227,500円
  • 会社員の所得税=(500-258)×10%-9.75=144,500円
  • 住民税の計算式『住民税=(年収-所得控除)×税率(10%)+均等割(0.5万円)』

  • フリーランスエンジニアの住民税=(500-170)×10%+0.5=330,000円
  • 会社員の住民税=(500-253)×10%+0.5=252,000円
  • 住民税の基礎控除は所得税よりも5万円低いため、それぞれ170万円と253万円で計算します。

    個人事業税の計算式『個人事業税=(年収-経費-290万円)×税率』

    個人事業税=(500-20-290)×5%=95,000円

    消費税は売上高1,000万円以下となるため、支払いはありません。

    年収1000万円の場合

    年収1000万円のフリーランスエンジニアと会社員が納める税金は次の通りです。

    年収1000万円の場合フリーランスエンジニア
    (青色申告特別控除を利用)
    会社員
    (扶養なし)
    所得税約117万円約84万円
    住民税約79万円約65万円
    個人事業税約35万円
    消費税個人では判断が困難なため税理士に相談0円
    合計約231万円約149万円
    各税金額は、所得控除(フリーランスエンジニア218万円、会社員365万円)、経費20万円を前提に算出しています。

    各税金の計算方法を解説します。

    所得税の計算式『所得税=(年収-所得控除)×税率-控除額』

  • フリーランスエンジニアの所得税=(1000-218)×23%-63.6=1,165,600円
  • 会社員の所得税=(1000-365)×20%-42.75=842,500円
  • 住民税の計算式『住民税=(年収-所得控除)×税率(10%)+均等割(0.5万円)』

  • フリーランスエンジニアの住民税=(1000-213)×10%+0.5=792,000円
  • 会社員の住民税=(1000-360)×10%+0.5=645,000円
  • 住民税の基礎控除は所得税よりも5万円低いため、それぞれ213万円と360万円で計算します。

    個人事業税の計算式『個人事業税=(年収-経費-290万円)×税率』

    個人事業税=(1000-20-290)×5%=345,000円

    消費税の計算式『消費税(一般課税)=(売上の消費税)-(支払の消費税+経費の消費税)』

    消費税は2年前の売上が1,000万円を超えていれば支払いの義務があります。 しかし、消費税は課税と非課税の区分があるため、個人で判断することは難しいです。税理士に相談することをおすすめします。

    フリーランスエンジニアが税金をおさえる節税のコツ

    ここまで記事を読んできた人のなかには

    「支払う税金を少しでもおさえる方法ってないの?」

    と感じている人もいますよね。

    そこで、ここからはフリーランスエンジニアが節税をするコツを紹介します。

    • 控除を活用する
    • 経費をフルに活用する

    控除を活用する

    控除を活用すると、フリーランスエンジニアが納める税金をおさえられます。控除額が増えれば納める税金が減るからです。

    具体的にフリーランスエンジニアが活用できる控除は次のとおりです。

    • 青色申告特別控除
    • 医療費控除
    • 小規模企業共済
    • 個人型確定拠出年金(iDeCoなど)

    中でも、小規模企業共済やiDeCoの投資は、掛け金の全額を控除できるため節税効果が高いですよ。

    小規模企業共済とは毎月積み立てる退職金制度であり、月々500~7,000円の間を500円単位で掛け金を決められます。加入後に掛け金の変更もできるので、業績に合わせて金額の増減が可能ですよ。

    一方、iDeCoは掛け金を自らで運用し、資産を形成する私的年金制度。原則60歳まで資産を引き出せないので注意が必要です。掛け金は月々5,000円以上で1,000円単位で自ら決められます。

    税金をおさえながら、老後の資金を形成できるので心に余裕もうまれますよ。

    経費をフルに活用する

    経費をフルに活用することも、フリーランスエンジニアが税金をおさえるコツになります。正しい申告ができ、支払う税金もおさえられるからです。

    フリーランスエンジニアが経費として計上できるものは次のとおりです。

    • 地代・家賃
    • 光熱費
    • 広告宣伝費
    • 通信費
    • 交通費
    • 接待交際費
    • 新聞・図書費
    • 一部の税金
    • 従業員に支払った給料賃金
    • 消耗品費
    • 車やパソコン代
    • 自治会費 など

    経費を計上する際には、接待交際費や通信費、消耗品費など業務に直結する費用のみに目が行きがちです。

    しかし、仕事に関連する広告宣伝費や冠婚葬祭費も経費として落とせるのです。広告宣伝費とは営業活動を行うために必要な費用で、取引先に渡す名刺や年賀状、ポートフォリオ作成代が計上可能。

    また冠婚葬祭費では、取引先の冠婚葬祭時に送ったご祝儀や香典は経費になります。冠婚葬祭費として上げられるのは仕事関係の間柄である方のみです。間違えないようにしましょう。

    見落とされがちな経費を計上しなければ支払う税金が増えるので、経費漏れすることなくフルに活用してくださいね。

    フリーランスエンジニアが収入を増やすには?

    これまで解説してきたとおり、節税対策を行わなければフリーランスエンジニアの納税額は高くなります。

    ただもちろん、節税対策をしても年収自体が高くなるわけではありません。

    フリーランスエンジニアとして理想の収入を得るには、報酬を増やしつつ節税対策を行うのがベストです。

    しかし、なかには

    「どうやって収入を上げればいいのかイメージが湧かない…」

    と悩んでいる方もいるでしょう。

    そんな人におすすめなのが「フリーランスのミカタ」です。

    出典:フリーランスのミカタ

    フリーランスのミカタは、通常のサイトには掲載されていない15,000以上の非公開案件と高単価なフルリモート案件を豊富に取り揃えるエージェントサービスです。

    具体的には下記のような案件が多く掲載されているため、収入が不安定といわれるフリーランスエンジニアでも、中・長期的に安定した収入を獲得できます。

    • 週5日(7時間/日、140〜180時間/月)
    • リモートワーク
    • 50〜80万円の月収

    フリーランスのミカタに掲載している案件例

    また希望年収や稼働時間だけでなく、扱うプログラミング言語などを細かく指定して案件を探せるため、自分にあう仕事を見つけやすいサイト仕様になっています。

    ただし、上記のような案件は条件として2〜3年の実務経験が求められるケースが多いです。そのため、応募する際はどれくらいの経験が必要なのかを前もってチェックしておきましょう。

    フリーランスのミカタを活用すれば、中・長期的に安定した収入を獲得できる案件が見つかりますよ

    どんな案件が掲載されているか気になる人は、下のボタンから自分にあう案件を探してみてください。

    公式サイトで詳細を見る

    なお、フリーランスのミカタがどんな案件サイトなのか詳しく知りたい方は、次の記事もあわせて参考にしてください。

    フリーランスのミカタとは?サービス内容や特徴、メリット・デメリット、口コミも紹介

    まとめ

    今回は会社員と比較しつつ、フリーランスエンジニアが納める税金の額や種類を、年収別の計算方法も交えて紹介しました。

    フリーランスが支払う税金は同じ年収の会社員と比較して高いです。その背景として、会社員には給与所得控除が適用されるため、特に対策をしなくても控除額が大きいことがあげられます。

    一方、フリーランスエンジニアは自ら節税対策を取らなければ納税額は高いままです。納める税金を低くおさえるには自ら節税対策を取る必要があります。

    具体的には、次の通り。

    • 青色申告特別控除
    • 経費を最大限に活用する
    • iDeCoで投資を行う
    • 小規模企業共済を利用する

    小規模企業共済やiDeCoの投資は、節税効果だけでなく老後のためのお金を用意できるので、メリットが大きいですよ。

    節税対策は時間と手間がかかりますが、対策を行えば数万~数十万円の節税になります。